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福重郷土史同好会
2007年の活動報告(12)

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2007年9月7日、大村市長へ提出していた『史跡・文化財の保護・保存についての要望書』に対する大村市長からの回答書が9月19日付けでありました。(注:下記は回答書の文章と同じですがホームページのレイアウト上、改行など一部変えて掲載しています)

大市教文第172号
平成19年9月19日

福重郷土史同好会会長 増元義雄 様

大村市長 松本 崇

史跡・文化財の保護・保存について(回答)  
 初秋の候、福重郷土史同好会の皆様方におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。また日頃から本市の文化財行政につきましてご協力賜り、感謝申し上げます。 さて、福重地区に所在する文化財の保護、保存のご要望につきまして、下記の通り回答申し上げます。

 記

1.今富城跡の調査、保存について
 大村宮小路無線基地局を周知の埋蔵文化財包蔵地である今富城跡に新設する計画について、平成18年5月の遺跡該当確認以降、平成19年1月まで、事業主である株式会社エヌ・ティ・ティドコモ九州と遺跡保護の観点から協議を重ねました。工事は城跡の中心部分の場所において計画されるもので、地下を大幅に掘削するだけでなく、大規模な構造物が景観を損ねることに問題がうかがえるため、今富城跡内における計画の再検討を平成18年11月30日付け、大市教文第394号の文書で求めました。

 しかしながらどうしても当該地区への新設が必要であり、また施設の性質上、高台への建設が条件であるため、今富城跡内への建設は避けられないという説明がありました。そのため計画地を今富城跡の中心部分から外した別の場所とすることを求めた上で、確認調査(その土地における埋蔵文化財の有無、状況等を把握するためのもの)を平成19年6月20日から7月5日まで実施し、さらに発見された埋蔵文化財(横堀)が、工事によって保護できる状況にないため、本調査による記録保存(現地保存ができない埋蔵文化財について、報告書等紙面上に記録して保存することで、事業主が原因者として調査及び記録に伴う経費を負担するもの)を7月18日から9月3日まで実施しました。

 ご承知のとおり今富城跡は大村氏にゆかりがあり、市内30件ほど見っかっている中近世城館跡の中でも玖島城跡、三城城跡に次ぐ歴史性があり、古くからそのことが知られてきました。しかしながら平成17年度に県教育委員会による県内の中近世城館跡悉皆調査に伴って、今富城跡を踏査いたしました。

 外見的には旧状を留めていると考えられましたが、実際には明治時代の鉄道建設によるとされる土取りがあり、さらに戦時中の陣地建設による工事の痕跡が広範囲で確認されました。 特に後者による損壊は厳しく、今富城跡の重要部分と考えられる北半分の頂上部において、工事の痕跡が見て取れました。

 指定保存に最も重要な点の一つは当時の遺構の残存状況であるため、今富城跡の歴史性は認められるものの、中世城郭としては指定保存の条件を満たさないと判断いたしております。

2.文化財の指定、保存及び周知について
 ご承知のとおり、福重地区には原始、古代、中世にかけて多くの遺跡、文化財が所在し、大村市の歴史の宝庫といっても過言ではありません。中でも福重地区から松原地区にかけて分布する中世石仏等は、キリシタン時代の破壊を免れた仏教が盛んだった時代の遺物であり、県内では最も中世石仏の集中した土地との評価があります。

 これらにつきましては、平成18年度大村市文化財審議会において、今後悉皆調査を実施し、必要なものについて指定、保存を図ることといたしております。 また指定に至らない文化財につきましても、できるだけ保存ができるよう、関係者に保存のご協力をお願いして参りたいと考えております。

 その他にもまだまだ未調査の領域が多いと思われますが、今後その調査・研究も必要と考えております。周知のための説明板等の設置につきましては、現在、既存の説明板の建て替えを行っております。今後、その他に必要と判断されたものについては、設置を検討して参りたいと存じます。

(回答書は、以上)
 
  『史跡・文化財の保護・保存についての要望書』ページは、ここからご覧下さい。 

   『今富城址』紹介のページは、ここからご覧下さい。

掲載日:2007年10月1日
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