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大村の偉人・有名人・活躍人シリーズ  荒木十畝(あらき じっぽ)  


 荒木十畝(あらき じっぽ) 
荒木十畝   大村の誇り、日本画家の大家
          
横山大観と並び称される著名な画伯

大村の久原出身だった

 荒木先生は、明治5年(1872)、当時の長崎県東彼杵郡大村久原郷(現在の大村市久原二丁目)の生まれで、朝長悌二郎(ともなが ていじろう)と命名されました。四人兄弟の次男で、先生の父は教育者で、母も教育熱心だったといわれています。

 生誕の地は、現在こそ住宅地ですが、それ以前は、生家周辺に百日小路(百人衆小路)があり、昔は古い屋敷にこんもりとした木立があって、静な落ちついた小路だったそうです。

 実際、今でも当時の雰囲気は感じられる所で、近くの見晴らしの良い高台から遠くは西彼杵半島、大村湾、玖島(大村公園)、臼島、近くは林や畑も見えます。

 それに当時は春夏秋冬の草花も、今以上に多かったことが推測されます。このような郷土の自然豊かな情景や山川草木が、後の画風に影響あったことは、想像に難くないことと思われます。

上京後、荒木十畝となる
 先生は(私立の)大村中学の頃、友人に黒板勝美(くろいた かつみ)氏(後の東京大学教授で歴史学者)がおられ、互いに励ましあって勉学していたと伝わっています。この当時から画才を発揮され、絵も描いておられます。(写真1を参照)
(写真1) 生家にある大村中学生頃の絵(松) (2018年2月8日撮影)
(写真2) 生家にある牡丹の絵 (2018年1月4日撮影)

 画家になるため、明治25年(1892)21歳の春に上京、画家の荒木寛畝(あらき かんぽ)氏の門弟となり、十畝(ぽ(じっぽ)の名前をもらわれ、ますます、その画才を発揮するようになりました。入門の翌年、寛畝の養子となり、荒木十畝(あらき じっぽ)と名乗るようになりました。

 23歳の時、優秀な画家たちの集まる日本美術協会の会員となり、明治28年(1895)には、同協会の展覧会で「朝顔と維子(きじ)」が最優賞となり、幹事に推挙されました。さらに、明治30年(1897)26歳の時には、当時の女子高等師範学校(お茶の水女子大学)の教官(教授)となられ、大正8年(1919)まで20余年間にわたり女子情操教育に精励されました。

 その後も様々な役職を歴任されました。代表作の『黄昏』や『寂光』を始め、長年数多くの作品を精力的に描かれています。また、著作では、『東洋画論』も出版されています。昭和19年(1944)9月11日に永眠されました。享年73歳でした。

花鳥風月が得意だった
 荒木先生の画風を評する場合、どの書籍類でも「花鳥画(かちょうが)が得意だった」との表現がしてあります。実際その通りで、先の代表作二例含め、「大村史話(下巻)」の作品年譜を見ても、ずらりと花鳥名称類が並んでいます。先生が継承された荒木一門の画風は、「南北合派」と称されています。

 (写真3) 寂光
(「東洋画論」の口絵写真を複写)
(写真4) 柏白鷹 (「荒木十畝 里帰り展」
図録の表紙写真の一部を複写)
 その画風をたどれば、江戸時代の文化文政時代頃より始まった谷文晁(ぶんちょう=江戸後期の名画家)の流れからのようです。特徴は、狩野派、土佐派、南宗画、北宗画、西洋画などの手法をとり入れた独自の画風と言われてきました。それを荒木先生が、さらに新しい日本画の創造に取り組み、高められたと思われます。

 私は、1999年秋、大村市立史料館で開催された「荒木十畝 里帰り展」で、先生の絵を始めて見ました。中でも、同時期発行された同展図録の表紙絵にもなった『柏白鷹』は、何度も見ました。(写真4参照) 柏の大きな葉っぱがついた枝に止まって、獲物を狙う鷹の目は、まるでレーザー光線を発するがごとく鋭く、白い羽は何百キロも飛翔(ひしょう)できるのではと思える柔らかさで描かれていました。


 (さらに原稿は続きます。写真なども含めて準備中ですので、しばらく、お待ちください)



・参考資料:「参考書籍・資料一覧表ページ」 、 「大村史話(下巻)」(1974年12月15日 大村史談会・編者) 、 国立国会図書館デジタルコレクションの「東洋画論」 、 (書籍の)「東洋画論」(1941年11月20日発行) 、 「大村市ホームページ」

・関係ページ:大村市立史料館・企画展 大村人グレート  

(掲載日:2018年10月1日、第二次掲載日:10月7日、第三次掲載日:10月11日、第四次掲載日:10月 日、第五次掲載日:10月 日、第六次掲載日:10月 日)


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