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大村の歳時記シリーズ 端午の節句、ちまき
鯉のぼり (野岳新茶祭り会場、2013年5月3日撮影)

端午の節句(たんごのせっく)、ちまき
 今回の「端午の節句、ちまき」紹介について、念のために先に書いておきますが、全国でも大村市内でも、歳時記内容(祝い方など)それ自体は、そう変わらないものです。まず、ご参考までに、端午の節句ちまきの意味について、国語辞典の大辞林の解説によれば、次の< >内通りに書いてあります。

 < 端午:「端」は初めの意,「午」は「五」に通じ,「五月初めの五日」の意。 五節句の一。五月五日の節句。古くショウブ・ヨモギを軒に挿して邪気を払う風があったが,江戸時代以後,男子の節句とされ,武家で甲冑(かつちゆう)・幟(のぼり)を飾ったのにならい町人も武者人形などを飾り,鯉幟(こいのぼり)を立てるようになった。

粽(ちまき)・柏餅(かしわもち)を食べ菖蒲湯(しようぶゆ)をたてたりする。現在は「こどもの日」として国民の祝日の一。端午の節句。端午の節(せち)。あやめの節句。菖蒲(しようぶ)の節句。重五(ちようご)。端陽。>

 <粽(ちまき):「もと茅(ちがや)の葉で包んだことから」  米や米の粉などを笹の葉・竹の皮などで包み,藺草(いぐさ)で三角形に巻き上げて蒸したもの。中国で汨羅(べきら)に身を投じた屈原を弔うために五月五日に餅を投じたという故事から,端午の節句に食べる習慣がある。

武者絵のぼり(野岳新茶祭り会場、2006年5月4日撮影)

大村の端午の節句
 この項目の標題は、”大村の端午の節句”と、あたかも市内全体を表しているかのように書いていますが、実は、私の地元・福重地区(主に農家)で今まで見てきた行事内容を中心に述べています。ただし、親戚付き合いその他で、他地区も見ていますが、この節句の状況は、市内どこも似たようなものかもしれません。

 以前(私の子供の頃)に比べ男子誕生や端午の節句を祝うことそのものについては、そう大きな変化はないような気がします。しかし、規模(特に、外で見かけるもの)については、かなり大きな変化があるような気がします。これから書きます内容は、ほぼ全て以前の状況であることは、あらかじめご了承願います。

 まず、男子が誕生した家では、この節句行事がおこなわれます。中でも長男誕生時には、最も盛大におこなわれる習わしがあります。その家族の友人知人を始め親戚や隣近所から4月初旬頃より、祝いの品が贈られます。例えば、誕生した男の名前などが刷り込まれた武者絵幟(むしゃえのぼり、大きさは高さ5m位、幅1m弱位)鯉のぼり(よろい)(かぶと)などです。また、先の飾り付け用品だけでなく、酒類や飲食物を贈られる場合もあります。

 そして、その武者絵幟や鯉のぼりなどを飾るために、近所の竹林に行って孟宗竹(もうそうちく、大村弁で「もそだけ」)を10本近く切り出しに行きます。なぜ、これだけ多くの本数が必要かと言いますと、先の武者絵幟や鯉のぼりを竹を支柱にしたポールみたいに立てるためと、長い竹が風でなびいても簡単に倒れないように土台を組むからです。

  贈られた武者絵幟や鯉のぼりの数によって当然、竹のポールの本数は違ってきます。鯉のぼりの支柱の最上部には風車(かざぐるま)みたいな飾り付けをして、その下部に吹き流しや大中小の鯉のぼりを泳がせます。あと、武者絵幟の方は、一枚づつ支柱に立てて、はためかせます。このようにもらった数によって違いはありますが、多かった場合(私の子どもの頃は多かった)、武者絵幟だけでも5〜10本位もあり(少なくても3本位はあった)、その本数が全部立てば壮観な感じさえしました。

 ただし、このようなことが出来るのは、相当広い庭や敷地面積のある家がほとんどでした。そのようなことからか、近年では庭先に沢山の武者絵幟や鯉のぼりが青空に舞う姿は、あまり見かけなくなってしまいました。また、武者絵幟には誕生男子の名前を刷り込む必要上から、予算的にも予約期間的にも、かなりの準備がかかるため、近年は本当に少なくなりました。

 あと、端午の節句(5月5日)の日は、男子の誕生した家の広間に家族、友人知人、親戚、隣近所の方も集まって、結婚式ほどではないにして、かなり盛大な祝宴(宴会)がありました。酒・ビール、肴類に加え、大村の郷土料理である大村寿司(角ずし)、にごみ、さらに昔は鯨(くじら)料理などがふるまわれました。

ショーブ (2015年5月5日撮影)

 うがった見方をすれば、1歳前後の男の子にとって自分へのお祝いと言えども、まだ食べたことのない料理ばかりで、その時の覚えはない宴会だったでしょう。しかし、祝宴に参加された方は、「これで(この家に)後継ぎができた。めでたい」、「将来が楽しみだ」みたいな話しが続きました。そして、列席者全員で、子どもの健やかな成長を祈念されたのも間違いありませんでした。

菖蒲
 まず、二つの辞典には、次の<>内のことが書いてあります。<(世界大百科事典より)ショーブ=サトイモ科の夏緑の多年草で全草に芳香があり,根茎を漢方では白菖,欧米ではrhizoma calamiの名で広く薬用にされていた。 (後略)> 、<(大辞林より)菖蒲湯=五月五日の節句に,菖蒲の葉を入れてわかす風呂。邪気を払うという。>

  この菖蒲湯は、各家庭で様々な入浴方法があると思われます。例えば、お湯にショーブを数本だけとか、たくさん束ねてとか、さらには刻んで入れるとかです。私が聞いた話では、どちらかと言いますと、ショーブを数本入れた方法が多かったような気がします。先の辞典でも解説されていますが、薬用にも用いられているので、使用方法によっては効能もあるのでしょう。

 しかし、私が聞いた範囲内では、どちらかと言いますと香りを楽しむ、あるいは端午の節句に菖蒲湯に入ることで、家族全員この夏を元気で過ごす願いみたいなことが込められているかと思えます。昔も入浴剤はありましたが、日頃は更湯(さらゆ)が多く、このような少し香りもする菖蒲湯は、この日だけの特別な感じもしました。

大村のちまき(粽)
 ちまき(粽)について、国語辞典に次の「」内のことが書いてあります。「粽(ちまき)=<もと茅(ちがや)の葉で包んだことから> 米や米の粉などを笹の葉・竹の皮などで包み,藺草(いぐさ)で三角形に巻き上げて蒸したもの。中国で汨羅(べきら)に身を投じた屈原を弔うために五月五日に餅を投じたという故事から,端午の節句に食べる習慣がある。」

ちまき(その1) (2010年5月5日撮影)
ちまき(その2) (2015年5月5日撮影)

 ちまき(粽)の大村弁は、「ちゅうまき」と言います。 このちまきは、いくつか種類があり、内容も包む皮も違いがあると思います。<ご参考までに、私が関西に住んでいた時には、竹の皮でなく笹(ささ)の葉で包んだものを良く食べていました)> 大村で作られる右側写真にあるような竹の皮のちまきは、中国から伝来した形式と思われます。

 あと、ここで話しは脱線しますが、竹には「男竹(雄竹)、女竹(雌竹)」があるそうです。私は、中高年になっても、この判別が分かっていません。それで、間違った見方かもしれませんが、右側2枚のちまき写真で、上側の「ちまき(その1)」が「男竹(雄竹)」、下側の「ちまき(その2)」が「女竹(雌竹)」と思っているのですが。また、この差は竹の品種自体の違いから来ているのかもしれません。いずれにしても、私の判別が違っていましたら、誠にすみません。あと、どちらかと言いますと、「女竹(雌竹)」の皮の方が、少し柔らかい感じと思われます。

・ちまき作りについて
  私の子どもの頃、端午の節句前には、どこの家族とも自宅近くの孟宗竹の生えている竹林に行っていたと思います。そして、竹の周囲に巻きついている乾いた皮を収集していました。できるだけ大きな皮で、見た目やわらかそうなものを集めていました。各家族で、それぞれに集める枚数は当然違っていましたが、大人数の家庭ならば、けっこう沢山のちまきを作るので、何十枚にもなっていたと思います。

 大村市内で普通に作られるちまきで多いのは、もち米とうるち米を竹の皮で包み、塩少々入れ、蒸籠(せいろう)で蒸すか、湯でて作られると思います。中には青豆なども入れられる場合も多いでしょう。 さらに、より中華風にするなら例えば具に豚肉、しいたけ、竹の子なども入れて作られている家庭もあると思います。

 竹の皮に入れるモチ米などは、半日以上、水につけてた後、ザルで水をきっていました。当然、このちまき作りの中心は母親でした。その采配で子どもたちは皮に米を入れ、形を整えて、これまた同じ竹皮を細く裂いた紐(ひも)で結んだら、次は蒸し器でした。

 (当時の私の実家では)木製の二段か三段の蒸籠(せいろう)に入れて蒸しました。かなりの時間(記憶あいまいですが45分から1時間弱)蒸しますと、出来上がりでした。温かいのもいいのですが、冷ました方がコメの甘味が出ておいしかったです。その内の数個は、端午の節句と言うこともあり、神棚にも供えていたような記憶もあります。

 この時期、たくさん作られたちまきは、3時のおやつにもなりましたし、あるいは昼食や夕食替りに何個か食べていたような記憶があります。端午の節句前後しか食べない、まさしく旬の食事と言えます。


補足


(この原稿は準備中。しばらく、お待ちください)



初回掲載日:2015年5月5日、第二次掲載日:5月6日、第三次掲載日:5月7日、第四次掲載日:5月9日、第五次掲載日:5月 日

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