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大村の馬頭観音

立福寺の馬頭観音
立福寺の馬頭観音

立福寺の馬頭観音のデータ

 (1)石仏名称 立福寺の馬頭観音(りふくじ の ばとうかんのん)
 (2)所在地 大村市立福寺町 (六社権現の境内)
 (3)本体の大きさ 高さ57cm、横幅27cm、胴囲70cm
 (4)土台の大きさ 高さ35cm、横幅37cm、周囲150cm
 (5)制作年代 明治17 (1884) 年11月19日
 (6)主な特徴  (基本形は)三面六臂
 (7)特徴点の補足  馬に神様が3人乗った形で、レリーフの造りも良い。
 (8)感想、その他  全体スマートで、ユーモラスでもある。

 土台正面にある碑文:(次の太文字) 明治十七年 馬頭観世音 申十一月十九日 

 ・上記の現代語訳:(上記を続けて補足含めて読めば)次の「」の通りと思われる) 「明治17 (1884) 年(サル年の)11月19日建立した」

  左側写真説明:この写真は通常のものではなく、撮影日、特別に町内の方が(写真下部にある尖った三角形のような”おにぎり”のようにも見えるごくさんごっくさん <由来は、御供(ごく、ごくう=神仏に供える物)と思われる>をお供えしていただいたものである。あと、念のため上記の碑文が彫られている土台は、本像の下部にあり、写真には極一部しか写っていない。

立福寺の馬頭観音の本体(拓本作業中)

<補足説明>
  まず、右側、拓本作業中の立福寺の馬頭観音写真を見て頂きたい。和紙から浮き上がったようなレリーフが、良く分かるかと思われる。最初に全体の姿形から見ると、上下・左右のバランスが良くて、大変スマートである。

 細部を見ると、頭髪部分が繊細であることを筆頭に、全体ていねいに造られている。さらに、小さな馬に乗った大きな神様3人が、何かしらユーモラスである。実物は、もっと笑いを誘うような感じでもある。

 しかし、古来からの馬頭観音そのもの顔つきは、「憤怒(ふんぬ)」の形相といって、様々な災いや魔を退治するため怒った形が多い。このようなユーモラスな表情は、私の推定ながら近代になってから、ある意味「庶民の要望」あるいは「庶民うけ」狙いで、石工(製作者)が応えた造りとも思える。

 また、本体最下部にある蓮華座にも注目して頂きたい。大村市内に数多くの馬頭観音はあるが、どちらかと言うと蓮華座は前後左右に少し花開いた造りがほとんどである。しかし、この立福寺の馬頭観音の蓮華座は、本体の円筒形状の一部みたいにしてあるのが、一つの特徴でもある。

 あと、馬頭観音の見分け方として、中には「像の頭部に馬の形がある」と解釈されている方もいる。しかし、この立福寺の馬頭観音のように像の下部に馬がある例もあるので、先の解釈と全て同じとは言えない。古来からある馬頭観音は除いて、近世や近代に造られた馬頭観音は、「基本形がない」と言っていいほど、多くの形がある。

 立福寺町の馬頭観音祭(近年は秋祭りとの表現もあるようだ)は、熱心で晩秋の頃に、町内あげて開催されている。この立福寺の馬頭観音のある場所は、立福寺町内を縦断する市道の脇にある六社権現の境内にあるので見つけやすい。

(初回掲載日:2014年7月12日、第二次掲載日:7月14日 )

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