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大村の歳時記シリーズ 籾すり(もみすり)
写真1  籾すり作業<作業開始前の写真で、中央が籾すり機、左側が自動選別計量器>(2016年10月30日撮影、野田町)
写真2  籾の搬送<右側が乾燥機(米タンク)から中央下部の箱に落とし、さらに箱からコメ搬送機で左側の籾すり機に上げている>
写真3  籾すり機械<右側は張り込みホッパー(籾の状態からゴムロールを通り、殻が分離される。左端は籾すりが終わり、籾と玄米を選別中>(中央部は操作板)>
写真4  自動選別計量機(中央部の機械) <籾すり機からの流量を自動検知し重量を計測している>(水色のパネル中央部は操作板)

籾すり(もみすり)
 まず、このページでは、籾すり機(もみすりき)について、次の<>内のブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を参照願います。

 <籾すり機(もみすりき)=籾から籾殻を除いて玄米にする農業機械。籾に衝撃を与えて籾殻を割る方法と,ゴムロールですり落す方法とがあるが,一般にはすり落し式が多く使われている。

すり落し式は,回転速度の異なる2個のゴムロール間に籾を通し,すって籾殻を取り,玄米を落すもので,これに風車でごみ,わら屑などの雑物を除く唐箕 (とうみ) と,傾斜した金網で籾と玄米を選別する万石 (まんごく) を組合せて,籾すりから選別までを一貫作業で行う全自動式が普及している。稲・麦などの穀粒を穂から取り離すこと>

 先に掲載中の脱穀(だっこく)ページにも同様のことを書いていますが、日本で稲作が始まった頃(縄文時代末期)からは、穂先だけを刈り取って湿気のないような所に貯蔵していました。そして、食べる時は、必要量だけを臼(うす)や杵(きね)で脱穀も精米も同時におこない、その後は炊飯した言われています。

 現在では、コンバイン機によって稲刈りも脱穀も同時におこなうか、または(稲の)掛け干しの乾燥状態を見て良ければ脱穀機で脱穀作業を別にします。前者・後者いずれの方法も、まだ、コメに籾殻(もみがら)付いた状態です。この籾殻を取り除く(分離する)作業が、籾すり作業です。機械のなかった昔は別としても、現在は当然、籾すり機(もみすりき)での作業となります。

 この籾すり機での作業も、機械がある所まで、まだ籾殻付いたコメを運び、投入口に入れる人、籾すり機を始め全体作業を監視する人、先の機械を通り玄米になったコメを投下口(自動選別計量器)で重さ(通常の場合、30kg)を確認して、コメ袋(紙袋)の口をふさぐ人、最後、トラックなどで貯蔵場所まで運搬する人など、様々な工程があります。

 そして、籾すり機での作業が終わって、貯蔵されている状態のコメを玄米(げんまい)と言います。その後、農家の方は普通、供出といって農協へ予約した数量を納めます。あとは、米穀店などで精米したコメを各店舗で購入し、各家で炊飯する順序になると思われます。

籾すり作業
 コンバイン機で刈って同時に脱穀したコメは、田んぼから直接、乾燥機などに運び込まれていますので、その状態では、まだ籾すり作業は出来ません。一定時間かけて、籾を機械乾燥させます。(写真2の右側参照) そのため、乾燥機=米タンクに入った状態です。これに対して、(稲の)掛け干しで天日干ししたコメは、その乾燥状態によっては直ぐにでも籾すり作業も可能です。

 まずは、写真2の右側にある乾燥機の説明からです。(これを、このページではとする) この機械の大きさは、目測ながら高さ約2m40cm、横幅約3m、奥行約1m30cmで、乾燥後は籾り作業まで米タンク代わりとなります。あと、(稲の)掛け干しで天日乾燥させ、田んぼなど脱穀作業でしたコメは、通常そのまま米袋に入っています。(先と同様に、これをBとする)

1,上記は、乾燥機(米タンク)から一旦、コメを(中間の)箱に落とし、再度、籾搬送機籾すり機に上げます。Bの方法は、直接、人力で(中間の)箱へ、コメ袋から落とし入れますが、その後はと同様です。

2, (写真3の右側を参照) またはBの方法から籾すり機に上がってきた籾は張り込みホッパーに入れられ、そしてゴムロールなどによって殻が分離され玄米となります。殻は排風口から屋外へ、ファンによって飛ばされます。

  玄米と、一部まだ殻付きの籾は、写真3の左側にある選別板(籾と玄米を選別する)金網を何層も通って下部に落ちて行きます。そして、玄米だけ籾すり機の玄米出口へ、パイプを通っていきます。

3, (写真4を参照) この機械は、自動選別計量器です。籾すり機からパイプを通って来た玄米は、その流量を自動検知し、コメ袋に入れる定められた重量(30kg強)も自動計量します。

 そして、コメ袋に玄米を投下して所定の重量になれば供給を自動カットします。その後、新たらしいコメ袋のセットが出来ればハンドルを押すことによって、また玄米は供給される仕組みです。この繰り返し作業です。

4,所定の重量(30kg強)のコメ袋は、袋の両脇頭部にある二つの紐(ひも)を中心に数回折り曲げていきます。最後に、両脇の紐をガッシリ結ぶと、(玄米の)コメ袋が出来たことになります。

5,あとは、トラックの荷台に積み込み、農家の小屋(コメを貯蔵する場所)に運び込むだけです。

6,なお、玄米ばかりではなく、通称”くず米”と呼ばれる玄米も、籾すり機の裏側から出てきますので、それは別の袋に入れて、正規のコメ袋とは分けて保管します。

 以上が、主な籾すり作業の工程です。ほとんどが電動の機械中心です。しかし、籾の投入、玄米の袋詰め、最後のコメ貯蔵場所までの搬送、入庫などは、当然、人手も要る作業です。

補足


(この原稿は準備中。しばらく、お待ちください)


コメ関係ページ:田起こし(たおこし) 、 代明け(しろあけ)代掻(しろかき)  、 田植え(たうえ) 、 稲刈り(いねかり)  、 (稲の)掛け干し(いねのかけぼし) 、 脱穀(だっこく)  、 籾すり(もみすり)  、 精米(せいまい)  、 (もち)つき  

 
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