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CGの石仏写真について
(歴史・郷土史研究にCG技術の活用を)
 はじめに
掲載中
1)基本作業
掲載中
2)具体的作業の補足など
掲載中
3)CG線の石仏写真の長所と短所
掲載中
 あとがき
掲載中
はじめに
  私は、『福重ホームページ』に2004年3月から福重の石仏写真を掲載してきました。2010年1月現在で石仏・名所旧跡関係だけでも100ページ近く、石仏写真も50枚を超えていると思います。また、福重郷土史同好会の一員として毎年開催中の福重地区文化祭に福重の石仏写真を出展してきました。最初(2006年)の出展から2年間は石仏の彫ってある自然石の写真のみの展示、2008年の文化祭からは拓本写真含めて展示してきました。

  上記の二つの事例は、どちらとも概ね好評を頂いていまして文化祭の方は直接、閲覧者の方と親しく話し合ったりしています。また、『福重ホームページ』の方は、大村ケーブルテレビなどの取材対象となり、特別番組「仏の里 福重」のきっかけにもなりました。  ただ、両者とも写真上で現行の「自然石のみの写真」、「拓本のみの石仏写真」を隣同士で展示する方法では、説明文付きとは言え、やや違和感も持たれる場合もありました。

下八龍の線刻石仏(大村市弥勒寺町)
(石仏の線はCG加工、線刻模様中心の写真)
  私のように上手下手はさておき何十回も石仏を撮影または拓本作業をした者は何も感じないのですが、実は文化祭の写真展示の時に、次のようなやり取りがありました。「上野さん、(隣同士に展示してあるが)拓本写真は見やすいけど、石の写真と見比べないといけないのやねえ」と言われました。これは大変遠慮がちな発言と思いますが、私は、この発言を次の「」内のように解釈しました。

自然石と線刻された石仏模様を一枚の写真だけで表現できないかを考えた
 「自然石のみの写真だけでは線刻石仏の模様が分からない」、「拓本のみの石仏写真なら、逆に自然石の全体が分からない」と言っておられるのだろうと考えました。つまり、まとめて言うと「自然石に線刻された石仏模様を一枚の写真だけで見てみたい」とのことだろうと思いました。

  確かに、「自然石のみの写真」あるいは「拓本のみの石仏写真」は、撮った日時も角度も大きさ(縮尺比)も色合いも違いますから、いくら隣同士に写真展示しても、見比べないと分かりづらいと言うことなのかもしれません。その後、確かにそのご指摘は当たっているなあと思うようにました。

  それで、それから何かいい方法はないか考えていました。そして思いついたのが、石仏の線刻が彫ってある自然石の写真1枚だけで、線刻模様が浮かび上がらないかと考えました。しかも、全く拓本同様といかないまでも、できるだけ線刻模様に誤差のない、拓本で写し出された、ある意味仏様の線刻模様と関係のない線(例えば自然についた石の窪みなど)がない、スッキリとした模様が出せないかも考えました。

  そして、2010年1月現在でも試行錯誤中ですが、高解像度デジタル画像に写真加工ソフトによる線刻模様をなぞって描き出す方法(CG=コンピューター‐グラフィックス、computer graphics写真)を考えました。 ただ、このCG写真作業は、線刻石仏関係だけの特別な、あるいは特殊な技術ではありません。ずっと以前から例えば写真館、印刷所、デザイン事務所さらにはホームページ制作者など広く一般に多くの方々が、日常不断にしておられる作業です。

 分かりやすい例として、顔のシミを取った結婚式の写真、邪魔な電柱や電線などを消した住宅写真など、今回の線刻石仏と少し逆の作業になりますが、基本的には同じものです。ただ、素人の感想を言わせて頂ければ、とにかく線刻石仏の線をなぞるのは根気と注意が要ることは確かです。

(初回掲載日:2010年1月27日、一部追加掲載日:2010年1月29日)

1)基本作業
CG化作業について、まずは基本作業について書きます。主な順序は、次の通りです。

(1)高解像度のデジタルカメラで撮影する。
 最低でも横幅4,000ピクセル近くの解像度が必要と思われます。ただし、これ以下の解像度でも石仏の線刻線のCG化作業はできない訳ではありません。精密な方が、より作業しやすいと言うだけであって、あくまでも目安です。あとレンズの性能ですが、キレのいい、スカッと写る方が、より線刻模様がクリアーに表現されていると思われます。(接写レンズが良いと思いますが、撮影場所にもよるでしょうか)

(2) 写真加工ソフトで線刻模様をCG化する。
 写真加工ソフトのメーカーや種類は、自分が使い慣れたもので充分可能と思われます。私の場合、CG線を描くのがメイン作業のため、その関連のツールは使用していますが、他の機能は特別な場合を除き使用していません。

(3) 線刻模様の色は自然石から分かりやすい色にする。
 最初のCG化段階では何色でもいいですが、最後の仕上げは自然石の色から分かりやすい色で、しかも石仏の模様としてもあまり違和感のない、例えば白、黒、紺、青色など変えます。

(掲載日:2010年1月30日、一部追加掲載日:2010年2月4日、)

2)具体的作業の補足など
 上記の1)基本作業で大枠のCG化作業についての順序を書きました。この項目では、その流れに沿って少し具体的作業及び基本作業の補足を書きます。

線刻石仏B(大村市弥勒寺町)
(CG加工前、自然石の写真)
(1)撮影関係
・自然石にくっきりと線刻模様が出ていれば撮影段階では何も補助作業は必要はありません。

・線刻模様の鮮明度に難がある場合、筆に水を付け水滴が濡れ落ちないように注意して線刻模様をなぞって、全部終了後乾かない内に素早く撮影します。

・絵具などは史跡を傷めるので不可ですが、拭き取り可能なチョーク(白墨)で、線刻模様のいくつかのポイントをマーカー(目印)にして、なぞっていくやり方もあります。ただし、線幅が細い場合はチョーク幅が大きいため線刻の中心線に入らず、線の外側に白い粉が付くため注意が必要です。あと、撮影後に石仏を綺麗にするのは当然のことです。

(2)写真加工関係
・ズームアップやコントラス比の調整などで線刻模様を鮮明化し、そして刻まれた線をなぞってCG中心線を描きます。この中心線を正確に描くことは、後の作業のためにも最重要です。

・写真加工ソフトの鉛筆ツールとスタンプツールを多用しますが、とにかく根気よくズームアップ、ズームダウンを繰り返して慎重に線画します。

・仏様の模様か石に最初からある自然に付いた線や窪みなのか、見極める注意が必要であります。明らかに線刻模様なのに消えているような所は部分線として繋ぐ場合もありますが、自ら新たな線を描くことは本来の線刻線ではないのでCG化作業時にすべきでないことは当然のことです。

・写っている線刻線の中心線をまず、細い線で引き、その後、線刻線の幅と同じ幅になるようにしていきます。 この場合、どうしても線の部分作業に集中してしまいますが、たまには線の全体を見ながら進めた方が、より正確性が高まると思われます。

(掲載日:2010年1月31日)

3)CG線の石仏写真の長所と短所
下八龍の線刻石仏(大村市弥勒寺町)
(中央部に線刻模様がある)
上記と同じ下八龍の線刻石仏
(石仏の線はCG加工、線刻模様中心の写真)
<長所>
(1)線刻石仏を写真展などで掲示する場合、今まで2枚の写真=「自然石のみの写真」プラス「拓本のみの石仏写真」が必要でしたが、1枚のCG写真だけでも線刻石仏が分かりやすく表示ができます。(つまり2枚の写真を交互に見比べる必要がありません。また、石仏写真展示などの場合、これ1枚でも原則充分ではあるので展示スペース的にも助かります)

(2)拓本よりは精度、正確性、緻密性はないかもしれませんが、線刻模様のみの線が表示されていますので、むしろ鮮明度、スッキリ度は高いと言えます。また、自然石に対応して色も自由に変えられるので、線自体も分かりやすいです。線刻の中心線の誤差も慎重に追い求めればゼロもしくは2ミリ範囲内まではないと言えます。全体の線刻模様としても誤差は、あまりないのではないでしょうか。

(3)CG化のための写真加工ソフト操作力は必要ですが、拓本関係の技術は特別には要りません。(ただし、できれば仏様の線刻模様を把握しておくために拓本技術もあった方が良いと思われます)

(4)総合的な長所として、線刻石仏や郷土史の初心者の方で、自然石と仏様の線刻模様の全体像を把握するためなら、この方法でも充分役立つと思われます。

<短所>
(1)CG化の作業時間が非常に長くかかります。 石仏撮影だけなら補助作業含めても時間はかかりません。しかし、その後のCG化作業時間が非常に長くかかります。(例えば、拓本作業なら縦横1m位の線刻石仏の場合、約半日で終了します。しかし、縦横30cm位の線刻石仏でもCG化操作は素人ということを割り引いても1日作業で終われば、いい方です。

  さらに線刻模様が緻密で縦横1m以上の大きい石仏なら、たぶん簡単作業レベルでも速くても数日間、慎重作業レベルなら1週間作業もしくは1週間以上になる可能性があります) 

(2)写真加工段階時に慎重に線刻の線を見極めないと見落とす場合があります。一定度の線刻石仏模様の知識がないと、仏様の模様か石自体の窪み線や石目なのか間違う場合があります。

(3)総合的な短所として、石仏関係の専門家、研究者向けではないかもしれません。

(掲載日:2010年2月2日)

あとがき
 今回、線刻石仏とCG(コンピューター‐グラフィックス、computer graphics)写真と一見なんの関係もないようなことを書いてきました。CG石仏写真と言えば一般には必要もなければ、たとえその写真があったとしても急に何か解釈でも変わることでもありません。ただ、私の場合、生まれ育った地域が『仏の里 福重』とも呼ばれ、しかも、その中で線刻石仏が多いです。そのため地域の文化祭あるいは郷土史講演会で、どうしても線刻石仏の写真展示とか、石仏の説明が必要となってきます。

 それらの必要性から色々と考えて「何でもやってみよう」みたいな素人の気持ちから、このCG石仏写真はスタートしました。まだまだ未熟で”発展途上段階”にも入っていないかもしれません。特に、線刻石仏の中心線の誤差が2010年2月現在でゼロもしくは2ミリ範囲内ですが、この数字の精度を全部の線刻模様でさらに上げることが課題です。それと併せ仏様の線刻模様の理解不足を実感していますので、限られた部分のCG線が良くても、全体の模様(特に、顔の表情が難しい)となると、まだまだの状態が続いています。

 ただ、そんな状況ながら文化祭などで写真展示していた時、見学された方から「こんな石仏が福重にはあったとね」、「この写真は良く分かるバイ」などの声をかけて頂いた時には、率直に言いまして「長時間かかるけどCG石仏写真に挑戦して良かったなあ」と思いました。あと、色々とやっていく中で自分なりに様々な課題も分かってきましたので、今後その解決策にも取り組んでいきたいとも思っています。

線刻石仏A(大村市弥勒寺町)
(CG加工前、自然石の写真)
  今回の一連の作業だけでも最低、写真撮影、拓本作業、長時間のCG写真作業とかなりの間、仏様と向かい合います。特に、CG作業をする時には、部分線や全体模様を何十回となくパソコン画面上で確認しますので仏様を本当に良く見ます。(また経験上、写真撮影や拓本作業も何回も繰り返す場合もあります) 

 当然、仏様のお顔は優しい表情が多いです。ただ、全体の模様については自然石のため、線刻する上でさまざまな制約上から来る不自然な線や端的に言えば制作者の失敗線なども分かります。そのようなことから、なんとはなしに「この当時、制作者はどんな思いを込めて彫られたのかなあ?」とか「この仏様は何を語りかけておられるのかなあ?」などと思うこともあります。

 福重の石仏は、平安時代末期から鎌倉・室町時代が多いですが、その時代の状況、その当時の制作者の意図などにも思考を巡らすことは、たとえ結論が出せなくてもいい教材とも思いました。以上で「CGの石仏写真について」の紹介・説明文はまとめとします。

 今後、CG作業の出来た順から徐々にゆっくりと掲載していこうと計画しています。この掲載は、『CG石仏写真』のもくじページから閲覧できるようにしています。今後とも、よろしく、お願いします。

(掲載日:2010年2月4日)

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