福重の名所旧跡や地形
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佐奈河内川(重井田町、野田町、立福寺町、今富町)
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佐奈河内川(さながわちがわ) | 場所:長崎県大村市 重井田町、野田町、立福寺町、今富町 |
佐奈河内川(さながわちがわ=「佐奈川内川」との表記もあり)は、郡川の支流で長さ2.924kmあります。 水源は重井田町の郡岳に発し、重井田町、野田町、立福寺町の境と今富町を流れ、郡川本流と合流します。 |
この地名の所には、江戸時代の1658(万治元)年9月まで、現在大村市野田町にある本蔵神社(本蔵大権現)がありました。郷村記には野田の集落から遠いため、現在地(野田町の本倉=本蔵)に引っ越したと書かれています。 いずれにしましても、この地名の「佐奈河内」と川の名前とは、何らかの関係があると思われます。郷村記の福重村の『川流之事』の項に佐奈河内川ついて下記の通り書かれてあります。「 」内が引用文です。(注:全文文章は続いていますが、分りやすくするため文章の区切りと思われる箇所に、スペース=空白を挿入しています) 佐奈河内川 「 水源寅の方の重井田大谷頭より流出 今富井手下にて郡川に落合なり 此間流程凡壱里弐拾八町程 」 上記を現代風に口語訳すると次の< >の通りと思われます。ただし、念のため、正式なものではなく、あくまでも上野の便宜上の訳ですから間違いあるかもしれませんので、ご注意願います。 <(佐奈河内川の)水源は北東部の重井田・大谷頭(おおたにがしら)より流れ出している。今富井手の下流で郡川と合流している。この間の川の長さはおおよそ5.8kmほどである > この郷村記に書かれてある佐奈河内川の長さが現在の長さと約3kmも違っています。私が調べた(江戸時代に書かれた)郷村記の長さは、単位は当然違いますが実測を元に表記されているので、けっこう正確です。なぜ、このような差が出ているのか理由が分かりません。 あと、郷村記に水源として書かれている大谷頭とは、現在郡岳を横切る市道の上部に市民の皆さんがよく水汲みをされている大谷水神前及びその上流付近を指しているものと思われます。 また、この郷村記には書かれていませんが、佐奈河内川に流れ込む水源の一つとして御手水の滝(おちょうずの滝、通称:裏見の滝)水系もあります。 なお、現在では、この川の上流域にあたる所に重井田ダムがあります。また、下流域の今富町では佐奈河内川は、別の支流にあたる野田川の2本の流れとも合流しています。 (掲載日:2006年7月3日) |