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2008年大村市議会9月定例会で、福重の石仏が質疑応答

福重地区の皆様へ
 9月1日〜19日までの予定で大村市議会9月定例会が開催されています。この市議会では大村市全体の問題は当然のことながら福重地区に関連しても、例えば雇用促進住宅の寿古サンコーポラスの廃止問題、農業の問題、新幹線問題、その他、市民や地区の者として切実な課題があります。

 このような諸問題は後で配布される議会報告概要やインターネットによる議事録などを、ご参照して頂くこととして、今回、福重郷土史同好会が取り組んでいます福重の石仏も取り上げれていますので、その概要をお知らせします。
弥勒寺町、下八龍の線刻石仏
(シュシュの駐車場横)

 念のために、下記内容はあくまでも質疑応答を簡略化した概要ですので正確さに不足があります。そのことをご了解の上、ご参照願います。

日時:2008年9月4日14時20分頃から
質問者:久野市議会議員
福重にある線刻石仏について
「福重地区には平安、鎌倉、室町時代頃の石仏が多く存在している。福重の郷土史研究会(注1)の人も熱心に調査・研究をしている。このような古い歴史的なことを聞くとワクワクしてくる。

 福重の人は「フルーツの里ふくしげ」と、この石仏を結びつけて地域起こし、地域の活性化を考え、運動(注2)している。大村市も、これらに対しての対応策は考えておられるのか? 」

答弁者:教育次長
 「郡七山十坊と言って、沢山の寺院が存在した。岩に線彫りした石仏も多くあり、中世時代(注3)のものと思われる。戦国時代、キリシタンの寺社破壊の時、破壊を逃れたものであると思う。地元の方々が熱心に調査、研究されていることも知っている。

 石仏の調査・研究を充分におこない市の指定史跡にできないか、今後考えていきたい。指定史跡にするには、充分な調査・研究のための時間がかかるので、ご理解願いたい。
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<上野の注と補足>
(注1)
:正確な呼称は、福重郷土史同好会である。(連絡メールは、ここのページから、どうぞ)

(注2)
:特に、現在、地域起こしの正式な名前までは付けられていないが、「フルーツと石仏の里ふくしげ」みたいな形で、福重の『花と緑と食』あるいは史跡巡りウォーキング、さらには「郡川の飛び石」復活(長崎街道ウォーキング)などと併せ様々なアイデアが出され、活動できるところから既に動き出している。

(注3):以前の大村市内の論文では、福重の石仏に関して確かに「中世時代制作説」が言われていたが、例えば経筒とセット言われている「単体仏」(福重の6体全部)あるいは「上八龍の線刻石仏」などは、最近の仏像研究家の話では平安末期説が有力になってきている。ただし、マダマダ研究途中段階であることも付け加えておきたい。

補足
 私は、今回の大村市議会における質疑応答は、概要下記の点について今後の期待も込めて意義のある内容だったと個人的には思っています。

(1)大村市制65年を超える歴史の市議会の中で、福重の石仏そのもの、または史跡や地域起こしの観点で質疑が交わされてのは初めてではないでしょうか。

(2)福重と言うより郡地区(竹松、松原、福重)全体で大村市の指定史跡が少ない中で、この種の話が議会で出たのは画期的なことではないでしょうか。さらに歴史認識の観点からすれば、1万3千年前の旧石器時代の野岳遺跡、7千年前の岩名遺跡、郡地区に多い縄文・弥生時代の遺跡さらには多くの古墳、奈良時代からの仏教伝播、平安時代末期や中世時代の石仏の現存などが、郡地区にはあるにも関わらず、今まで大村市では専門家以外ほとんど語られてきませんでした。これを契機に本当の意味で大村の歴史の豊かさが、市議会でも、その他色々な場面でも語られれば、なおいいことだと期待しています。

(3)指定史跡の認定は最終目標ではなく、あくまでも市民や福重の地域の方々の目標は、今まで埋もれてきた遺物の再発見と、これまで現存している史跡の現状保存を何世代にわたって将来も続けていく息の長い運動と思われます。地域だけでもダメ、行政任せもダメで、本当の意味で「地域・行政一体となって史跡保護・保全活動」が求められていることを、今回の質疑応答は物語っているのではないでしょうか。

(4)史跡保存は「言うは安し、行うは難し」で福重の遺跡や古墳は、かつて高速道路建設その他で多くが破壊されました。今でも、あの古墳が残っていれば(移設だけでもしていれば)、いい観光誘致策や子どもたちの生きた教材になったのではと思うのが多々あります。当面これからも新幹線建設などで、史跡破壊の可能性も充分考えられます。大村市を<花と歴史と技術のまち>と言うキャッチフレーズに名実ともにするなら、これをを契機に新幹線の建設だけ、あるいは何かの工事の進行だけでなく、史跡保護・保全活動にも英知を注ぐ必要があるのではないでしょうか。そのような議会討論も期待しています。
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<福重の石仏や史跡保存の関係ホームページ紹介>
・『仏の里 福重

・「福重の名所旧跡と地形」 の 『弥勒寺の不動明王

・福重郷土史同好会から大村市長宛て「史跡・文化財の保護・保存について(要望) 」(全文)

・大村市長から福重郷土史同好会宛て「史跡・文化財の保護・保存について(回答) 」(全文)



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