鈴田ふれあい祭り(すずた ふれあい まつり)
この鈴田ふれあい祭りは、2008年から毎年秋(10月)に大村市立鈴田小学校の運動場と体育館などで開催されている鈴田地区(旧・鈴田村、現在の鈴田小学校の校区)の行事です。(2014年10月26日で第7回目) まず、極簡単に言えば、それまで例えば9月の敬老会、10月の鈴田大神宮の秋の例大祭、ちびっこ相撲大会、ふれあい文化祭などを一つにまとめた祭りです。
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第7回鈴田ふあい祭り(2014年10月26日開催) |
さらには、その中では例えば運動場でおこなわれる玖島中学校のブラスバンド演奏、地元の郷土芸能・各種団体による踊りや演劇の披露、農産物の直売や各種物産の販売や飲食物などのコーナーもあります。
また、体育館内では、絵画・習字・生け花・俳句・盆栽・木工製品などの展示、またレコード喫茶などもあります。体育館前の通路周辺では、年によって違いますが、古い農機具や古い自動車の展示などもありました。
毎回の祭り参加者は、4,000人を越す盛況ぶりです。私の表現が適切ではないかもしれませんが、従来方法や他地区で開催中の”個別行事開催方法”が「専門ブティックみたいな祭り」とするならば、鈴田ふれあい祭りは何でも同時開催方式の「デパート式の祭り」形態と言えるでしょう。また、来賓挨拶や参加者からの話で、「この”ふれあい祭り”と言うネーミングが、今の時代にマッチしていて、なかなかいいねえ」との評価が多く聞かれてもいます。
私は、詳細に聞いた訳ではありませんが、従来型の個別行事開催形式よりも集中して予算が使えて、(準備作業は別としても)秋に開催される地域の沢山の行事が一日で全て終わります。また、集中開催なので、いつも活気ある祭りです。しかし、その分、祭り実行委員の数も百数十名を要し、同時に企画・準備・設営などの努力も必要と思われます。
また、第1回から第6回までは晴天続きでした。しかし、2014年10月26日開催の第7回鈴田ふれあい祭りは、前半雨でしたので屋外で出来なくなり、急遽、体育館での開会式などの行事、後半は天候が回復し、再度、屋外開催となりました。その時の実行委員の努力は並大抵ではなかったと思えました。しかし、器用に対応され、むしろ全体通して活況を呈した祭りともなりました。
大村市内では、毎年、夏・秋には各地域で様々な祭りが開催されていますが、鈴田ふれあい祭りは近年最も注目を集めている祭りといえます。
祭りの主な内容
鈴田ふれあい祭りは、(2014年11月現在)7回実施されていますので、当然継続されてる行事内容もあれば、各回ごとに改善・工夫あるいは一新されている出し物もあります。この項目では、2014年10月26日開催の第7回目のプログラム内容をご紹介します。ただし、この日は前半雨だったため、一部中止あるいは変更の演目もあります。その点も含めて、予定項目を書いています。
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第7回鈴田ふれあい祭り(玖島中学校・吹奏楽部) |
1)メインステージでの内容:開会宣言、玖島中学校吹奏楽部の演奏、御輿お下り、開会式(開会挨拶、長寿者表彰)、下鈴田浮立、踊町1、踊町2、踊町3、鈴田保育園、鈴田幼稚園、鈴田小学校、健康体操、(昼休み)、くじら太鼓、フラダンス、よさこい、御輿お上り、抽選会、閉会式
2)体育館内での作品展示:書道、絵画、水彩画、絵手紙、工芸品、手芸、パッチワーク、編み物、写真、盆栽、俳句、折り紙
3)体育館横での展示:レトロカー、白バイなど
上記は、あくまでも配布されたプログラム上だけの項目で、しかも詳細に全部を書いている訳ではありませんので、そのことはご了承願います。なお、農産物の直売や各種物産の販売や飲食物などのコーナーもありますが、具体的な店名などは省略します。
また、参加者の年齢層についてですが、メインステージも体育館での展示も、保育園・幼稚園の園児から高齢者まで、とにかく幅広く、まさしく老若男女で作り上げておられる祭りであることが良く分かります。
鈴田地区(岩松町、大里町、陰平町、中里町、小川内町、平町)は、人口約3,000人です。しかし、鈴田ふれあい祭り参加者は、毎回4,000人位の来場者があるようです。この数字の中には、私のような地区外の人も含めての数字でしょうが、それにしても「鈴田地区総参加」の表現でも違和感の起こらない数値と言えます。
また、私が見た目で体育館内展示作品で中には、プロ並みの優れた作品群もあり、出展者のセンスや技能の高さをも感じてもいます。入場者の方々も立ち止まって見入っておられる姿を何回となく見ました。改めていうのも何ですが、他地区の祭りが「一日で一粒おいしい」表現ならば、鈴田ふれあい祭りは、「一日で10粒もおいしい」味を作ろうとされているのでしょう。
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(写真A) 豊年満作踊り・田起こし(第8回鈴田ふれあい祭り |
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(写真B) 豊年満作踊り・田植え |
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(写真C) 豊年満作踊り・稲刈り |
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(写真D) 豊年満作踊り・脱穀 |
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(写真E) 豊年満作踊り・餅つき |
豊年万作踊り
「豊年万作」(踊り、芝居)の概要紹介
まず、「豊年万作」(踊り、芝居)についてです。この踊りは、全国各地に分布しており、歴史も古く既に江戸時代後期頃からあったようです。いずれの踊りも、1年間の農作業の様子を表し、皆で楽しむ、あるいは名称通り「豊年万作」を願いながら演じられてきたと思われます。
その形態も様々あり、例えば歌、楽器付きもあれば、(民謡のCD音楽を流しながら)農作業着や少しの小道具を持っただけ、さらには人中心の舞台で踊りながらの披露もあるようです。
(ご参考までに、ホームページや動画サイトにも様々な「豊年万作」踊りが紹介されていますので、ご参照願います)
鈴田地区・陰平下町内会の豊年万作踊り
この「豊年万作」(踊り、芝居)は、2015年10月18日に開催された第8回鈴田ふれあい祭りで初披露されました。出演者は、陰平下町内会で、目算ながら総勢15名位での演技でした。
(このページ右側の写真A〜Eを参照) 今回の鈴田・陰平下町内会の「豊年万作」の場合、どちらかと言いますと芝居風でした。様々な小道具(実際しようした道具も含めて)にこだわっておられました。
さらには実際の昔おこなわれた、あるいは現在も続いている農作業そのものを表しておられました。あと、ところどころでは、コミカル感も大いに演じられ、会場の笑いと拍手を誘っておられました。
今回披露された主な作業の流れは、「田起こし」、「水車(水を田んぼに引く)」、「田植え」、「稲刈り」、「脱穀(だっこく)」、「籾すり(もみすり)」、「餅つき(もちつき)」などでした。(念のため、右側写真は全ての演目を掲載していないので、ご了承願いたい)
この農作業(演技)の流れは、時代とともに農機具の改良・発達・機械化はあったものの稲作が日本で始まった大昔以来、ずっと続くものです。毎年春季の田起こしから、秋季中頃から新米が口にできるまでの季節感も当然変わらぬことです。
私の個人的な感想ながら、陰平下町内会の豊年万作踊りを見て、「これは貴重な光景だ」と、まず思いました。そして、一連の流れの中には、一般にもう二度と見れない農作業もあり、歴史的(史料的)価値観もあるのではとも思いました。
特に、陰平下町内会の方々が、長年の自らの経験を元にシナリオ・小道具の準備から何回かの練習、舞台での本番披露と全て地元の方々でおこなわれた意義は大変評価できるものと思われます。つまり、素朴ながら手作りそのもの踊りは、見る側の心に響く、素晴らしいものだと言うことです。
だからこそ、会場にいらっしゃった敬老者を中心に、心からの共感と共に万雷の拍手や声援を送られたのだと思います。
玖島中学校吹奏楽部の演奏
鈴田地区は、大村市立玖島中学校の校区です。鈴田小学校を卒業すると、隣の地区にある三浦小学校や大村小学校の卒業生とともに同中学校に入学されます。その関係上、鈴田ふれあい祭りにも、毎年、出演されているということです。
そして、鈴田小学校で開催されている鈴田ふれあい祭りへの出演は、同校卒業生の吹奏学部メンバーにとっては、ややオーバーな表現をしますと「凱旋演奏」、「里帰り演奏」とでもいえるでしょう。そして、ご両親始め、おじいちゃん、おばあちゃん、あるいは親戚、同校の後輩など大勢の前での演奏になりますから、他の演奏会場にない気分や雰囲気もあるのかもしれません。
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<第8回鈴田ふれあい祭り> 玖島中学校・吹奏楽部の演奏 (2015年10月18日撮影) |
また、順番は毎回、祭りのトップバッターで、最初から楽器の鳴り響きによって会場全体が盛り上がっています。さらに、この吹奏楽部は、来場者(聴衆)に合わせた曲目を充分考えておられるのか、敬老者がかつて歌ったことのある童謡を始め誰でも知っている、親しみのある曲が多いです。さらに、演奏だけでなく、ダンスなども披露され目でも楽しめる内容です。
一例として、2016年10月23日開催の第9回鈴田ふれあい祭り(雨のため体育館が主会場だった)では、沖縄三線の演奏と歌、加山雄三さんを真似たスタイルと歌など、多彩な芸も披露されていました。このように玖島中学校・吹奏楽部は、幅広い年齢層に合わせた多種多様な内容の披露ができる素晴らしいクラブです。
2018年から屋内開催へ
私は、2018年10月21日開催の第11回鈴田ふれあい祭りに参加しました。(実は、素人カメラマンながら2009年の第2回の祭りから、ほぼ連続して参加中) これまでは、雨天を除き、メイン会場は大村市立鈴田小学校の運動場でした。あと、体育館内が書道や盆栽などの文科系作品展示(鈴田地区住民センターでも文化系展示があった) あと、体育館周囲の道路や駐車場周辺が、餅つき、産直の農産物、飲食店、手工芸品販売などの出店(露店)などがありました。
しかし、運動場では、まずはステージ・日差しよけ寒冷紗
(かんれいしゃ)張りなどの準備が大掛かりで長時間作業だったそうです。そのようなことから、祭り実行委員会で討論し、2018年の第11回鈴田ふれあい祭りから
メイン会場が鈴田小学校の体育館で開催していくことになったそうです。
先のメイン会場変更から、今までの文科系作品展示会場は、児童の書道展示を除き、以前の鈴田幼稚園などに移りました。また、産直の農産物、飲食店、手工芸品販売などの出店(露店)などは、小学校敷地の東端側
(プールと相撲場近く)に場所変えとなりました。その意味で、この2018年開催の祭りは、メイン会場の屋内への変更だけでなく、様々なことに変化のあった内容でした。
ただし、敬老者始め祭り来場者全体では、例年以上の参加があったようです。いずれにしても、毎年、多くの実行委員を先頭に何か月も前から準備され、さらに鈴田地区住民全体で祭りを盛り上げようとする心意気は、大なるものを感じました。