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福重郷土史同好会
2017年の活動報告(2)

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上記横長写真:竹下氏の講演と聴講者(講師は前方右側にある石仏や写真の説明中)

第4回福重郷土史講演会(概要報告)
日時:2017年2月4日 10時00分〜11時15分 、 場所:福重住民センター・大会議室 、 参加者:31
講師:竹下 正博 氏(佐賀県立博物館)

(講演中の)竹下氏
皆様、熱心に聴講中
滑石製の石仏(右下側の2体は実物)と、その写真(合計9体)
滑石製の平安仏(左側:石走の単体仏2、右側:石走の単体仏3)

講演次第
1)主催者挨拶:上野
2)講師紹介:上野
3)講演:竹下 正博 
4)質疑応答
<展示について>
 ・実物の石仏2体(石走の単体仏2石走の単体仏3)を展示
 ・写真展示:滑石製の平安仏(9体、このページ下部リンク先からを参照) 、その他の石仏---上八龍の線刻石仏下八龍の線刻石仏石走の線刻石仏線刻不動明王像仏頭1などの写真合計16枚

表題:福重の石仏 滑石製の平安仏

内容:(特徴的な内容)
 1時間強の講演内容を詳細に書くのは難しいので、下記は特徴的な事項あるいは福重の石仏や寺院などの概要を書いている。なお、下記の番号や見出しは、あくまでも上野が便宜上付けただけである。

1、滑石製の平安仏と、その意味することは
  ・福重や松原の石仏の石は、西彼杵半島産出のものである。柔らかく加工しやすい石材で滑らかである。(実物を触って欲しいということで聴講者も全員手にして、それを実感した)

 ・造られた時代は平安時代末期(源頼朝が生きていた時代頃)と断定しても良いだろう。この石仏は末法思想で造られた経塚(経筒を埋めた小山)の上にあったか、中にあったものである。

 ・福重や松原で、これだけ多くの同じ石仏があるということは、末法思想が流行する平安末期より、ずっと以前から大村にも仏教寺院が多くあり、仏教文化が栄えていたことを示す。

2、他の線刻石仏、仏頭などについて

 ・写真にある線刻石仏(上八龍の線刻石仏下八龍の線刻石仏石走の線刻石仏仏頭1)などは、滑石製の平安仏ほど制作時代は断定はできない。しかし、他の仏像専門家の方も基本的な特徴を見れば、平安末期もありうるかなあとの意見はあるかもしれない。もっと調べる必要があろう。

3、大村も佐賀(鹿島周辺)も(仏教)文化圏は同じである

 ・佐賀の連厳院の仏像を見て欲しい。(写真で詳細に説明) このような仏像は大村にもあったはずだ。

  ・旧大村藩領は戦国時代のキリシタンによって仏教寺院も破壊されたので佐賀より仏像が少なく、分からないようになっている。しかし、石仏の状況などから、大村も佐賀も同じ時代に進んだ(仏教)文化圏と考えて良い。大村だけが、遅れていたみたいなことはない。

 ・例えば、福重の滑石製石仏を見て(ヒントになって)、同じのが鹿島にもあったので直ぐに分かったこともあった。

4、弥勒寺や如法寺などは興味ある名称
 ・弥勒寺(注:現在、寺院はないが町名である)は弥勒菩薩からであり、その滑石製石仏も多いことから、なかなか興味を引く、名称である。
 ・(草場町の)如法寺も、様々な事柄のセンター的な役割とか、教養の高い人がいたなどが連想される魅力的な名称である。

5、質疑応答(3名の質問に答えて)
  Q1:仏頭1は、頭部だけだが胴体部分は、どうなっていたのか?
  A1:大村産石材(注:割れやすく加工しにくい)の関係から、この石仏は頭部だけを造り、胴体はないと思う。あと、この頭部だけを造るというやり方は、平安時代ではないと思う。

  Q2:(弥勒寺町は史跡保存活動もしているが) どの石仏を、どのように保存していったら良いのか。(屋根をかけるなど)
  A2:大村市教育委員会と良く相談されたら、どうだろうか。石仏の盗難被害も全国であったので注意も必要だ。

 Q3:文化財保護の意識を高めるのには、どうしたら良いか?
 A3:このような講演会を聞くとか、様々なことで話し合うとかで文化財保護の意識を高めていくことが必要だろう。

  上記は、冒頭書いている通り、あくまでも講演の特徴的な内容であり、別のページに詳細に書くことも可能になれば考えていきたい。  (講演会概要は以上)

滑石製の平安仏、関係ページ
大村市内にある滑石製の仏像 論文での石仏名称 ( )内は所在地
地元での石仏名称
紹介HP
 (1)菩薩形像(長崎県大村市弥勒寺町石堂屋敷)一体 石堂屋敷の単体仏C
 (2)菩薩形像(長崎県大村市弥勒寺町石堂屋敷)一体 石堂屋敷の単体仏B
 (3)菩薩形像(長崎県大村市弥勒寺町石堂屋敷)一体

石堂屋敷の単体仏A

 (4)菩薩形像(長崎県大村市弥勒寺町石堂屋敷)一体

石堂屋敷の単体仏D

 (5)菩薩形像(長崎県大村市弥勒寺町上八龍)一体 上八龍の単体仏
 (6)菩薩形像(長崎県大村市弥福重町石走)一体 石走の単体仏2
 (7)菩薩形像(長崎県大村市弥福重町石走)一体 石走の単体仏3
 (8)菩薩形像(長崎県大村市)一体  <上野注:この石仏は松原にある> -
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 (9)菩薩形像(長崎県大村市草場町)一体 草場の単体仏

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(大村市)郷土史講演会の案内
日時:2月18日(土)(土曜日)、午後1時30分〜4時30分
場所:プラザおおむら(ホール)< 住所 大村市本町326番地1>
講演内容、講師、報告者、パネルディスカッションなどの
詳細は、大村市の講演案内ページを参照願います。

掲載日:2017年2月5日

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