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大村の馬頭観音

南川内の馬頭観音
南川内の馬頭観音

南川内の馬頭観音のデータ

 (1)石仏名称 南川内の馬頭観音(みなみのかわち の ばとうかんのん)
 (2)所在地 大村市中岳町(南川内から西大村方面へ約200mの道路脇)
 (3)本体の大きさ 高さ65cm、横幅27cm、胴囲62cm
 (4)土台の大きさ 高さ21cm、横幅36cm、周囲141cm
 (5)制作年代 大正9(1920)年旧暦9月19日
 (6)主な特徴  (基本形は)三面六臂
 (7)特徴点の補足 レリーフが高く、彫像の造りが珍しい。
 (8)感想、その他 彫像全体が繊細な出来で、顔の表情がユーモラスである。


 土台にある碑文:
(次の太文字)   (正面に)馬頭観世音  (左側面に)大正九年旧九月十九日  (右側面に)南河内郷中  

・上記の現代語訳:(次の「」内、ご参考程度に)「大正9(1920)年旧暦9月19日に南河内郷中で馬頭観音を建立した。」

<補足説明>
 まず、右側写真を参照願います。写真中央上部(石垣の上側)にあるのが、南川内の馬頭観音です。遠くから見ても本像は、スマートな造りになっていることが分かります。

 また、上記データ表にも書いていますが、馬頭観音像としては大変レリーフが高く、彫像の造りが珍しい形をしています。特に、頭部や手の造りが細かいのが特徴です。さらに、円形状の手が大変珍しいつくりで、大村市内には同種のものがないと推測しています。

 また、顔は、全体に比べ大きく感じますが、逆に立像の二本足が、か細い感じに見えます。そして、像に向かって正面、左右側の3ヶ所に碑文があるのですが、まるで書道の手本みたいな美しい文字が彫られています。本体の大きさ自体は、そう大きなものではないのですが、彫像や碑文を彫った製作者(石工)の技術の高さが良く分かるものです。

 右側写真の左側(東側)方向へ数メートルの位置に、市道があります。石垣の前側周辺は、当時ならば馬車、現代ならば自動車が駐車できる空き地があります。もしかしたら、この場所で当時から離合や休憩場所にしていたのかもしれません。

 あと、この馬頭観音は南川内の集落から数百メートル離れた道路脇にあります。全国共通して馬頭観音は、建立された当時の場所としては、「一般に村や町(集落)の外れで道路脇にある」とも言われています。その意味で南川内の馬頭観音のある所は、先の事柄と同種のことでもあり、建立場所は当初も現在も変わっていないと推測されます。

(初回掲載日:2014年4月19日、第二次掲載日:6月22日 )

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