<補足説明>
まず、右側写真を参照願います。写真中央上部(石垣の上側)にあるのが、南川内の馬頭観音です。遠くから見ても本像は、スマートな造りになっていることが分かります。
また、上記データ表にも書いていますが、馬頭観音像としては大変レリーフが高く、彫像の造りが珍しい形をしています。特に、頭部や手の造りが細かいのが特徴です。さらに、円形状の手が大変珍しいつくりで、大村市内には同種のものがないと推測しています。
また、顔は、全体に比べ大きく感じますが、逆に立像の二本足が、か細い感じに見えます。そして、像に向かって正面、左右側の3ヶ所に碑文があるのですが、まるで書道の手本みたいな美しい文字が彫られています。本体の大きさ自体は、そう大きなものではないのですが、彫像や碑文を彫った製作者(石工)の技術の高さが良く分かるものです。
右側写真の左側(東側)方向へ数メートルの位置に、市道があります。石垣の前側周辺は、当時ならば馬車、現代ならば自動車が駐車できる空き地があります。もしかしたら、この場所で当時から離合や休憩場所にしていたのかもしれません。
あと、この馬頭観音は南川内の集落から数百メートル離れた道路脇にあります。全国共通して馬頭観音は、建立された当時の場所としては、「一般に村や町(集落)の外れで道路脇にある」とも言われています。その意味で南川内の馬頭観音のある所は、先の事柄と同種のことでもあり、建立場所は当初も現在も変わっていないと推測されます。
(初回掲載日:2014年4月19日、第二次掲載日:6月22日 )
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