<補足説明>
矢上郷(現在の福重町) は地理的位置とか妙宣寺の所在地などからして旧・福重村(現・福重地区)の中心地であり、農業地域でもある。この馬頭観音は、当時の建立者=馬所有者の願いを込めたのであろう。また、建立当時から現在地にあったものでなく、「どこからか、ここに移された」との伝承がある。 あと、現在でも地元で祀られている。
一部に苔や摩耗もあるが、まだ形状も良く見えている。私が拓本作業をする前には、文字や姿が分かりにくかった。しかし、拓本後、3人の神様の中央頭部に馬の顔があることや、下部に彫られた碑文もくっきり良く見えるようになった。姿、形、文字とも全体的に普通の馬頭観音の形式である。左写真の蓮華座下部には文字があり、それは上表に書いている通りである。
ただし、この文字は他の馬頭観音と比べて達筆ではなく、大文字、小文字とも大きさにバラツキがあり、縦行の流れもやや均一ではない。(私の想像ながら達筆者の筆文字を和紙に書いて張って、その後に彫った形式ではないと思われる)
(初回掲載日:2014年2月14日、第二次掲載日:2月15日 )
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