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弥勒寺の不動明王
(弥勒寺町公民館敷地内)
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据え直し工事中
(吊り上げ作業中とグリ石入れ)
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不動明王、据え直し工事完了
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弥勒寺の不動明王、据え直し工事報告
日時:2009年8月6日 08時00分〜08時50分
場所:弥勒寺町公民館敷地内
参加者: 8名
1)弥勒寺の不動明王(概要紹介)
大村市弥勒寺町の弥勒寺町公民館の敷地内(市道の脇)に高さ約136cm、横幅約72cmくらいの大きな自然石が立っている。これは、不動明王と呼ばれているものである。
制作年代の推定は、「鎌倉中期から前期」と言われている。 残念ながら、風雪により剥落(はくらく)した部分もあるが、自然石にこれだけ素晴らしい筆致で彫られた石碑は、長崎県内でもなかなか見られない珍しいものである。
この近くには、かつて郡七山十坊の一つであった弥勒寺の寺院跡がある。一説によると、この寺院と不動明王は関係あるのかもしれないと言われてもいるが、詳細は不明である。
<不動明王の詳細ページは下記からご覧下さい>
・(「福重の名所旧跡」の)『弥勒寺の不動明王』
・(「仏の里 福重」の)『弥勒寺の不動明王』
2)傾き倒れそうな不動明王 (工事に至る経過概要)
長年の雨などにより不動明王は2009年6月頃より、さらに傾いていた。これを見かねた弥勒寺町内会は、史跡保存の要望を福重地区開発委員会に提出した。
これを受け福重地区開発委員会は7月23日現地調査し7月29日の役員会にて大村市に要望書提出を決定した。しかし、7月25日〜26日にかけての大雨で、より一層傾きが激しくなり、一刻の猶予もできないことが判明した。
3)傾きについての対策協議
8月5日山本・弥勒寺町内会長、福重郷土史同好会3人(増元、竹山、上野)で対策協議をおこなった。結果、「重さ1トン強もある石碑の据え直し作業は、安全上も保全対策上も素人では手に負えない」と言うことになり皆同町の中田石碑店に相談することにした。
同日、中田石碑店の親子さんに現地に来て頂き相談に乗ってもらった。その結果「8月6日の朝からユニックで起こし地面下にグリ石を入れて、傾いている石碑を元通りに戻そう」、「作業は約1時間で可能」とのことであった。私達4人は中田石碑店さんにお願いすることにした。
4)据え直し工事完了
不動明王の据え直し工事は、8月6日8時から約50分間、中田石碑店の3人で前日のお話の通り、不動明王の据え直し作業をして頂き、元の状態に戻った。
5)据え直し工事の意義と今後
この不動明王は、制作年代の古さ、線刻模様の素晴らしさ、さらには長崎県内で数少ない特徴ある石仏と言うことから、いずれ大村市の指定史跡になる可能性もある。
しかし、6月の弥勒寺町内会からの要望を放置し、さらにもう数回の大雨があれば傾きがより大きくなり倒れて壊れる危険性もあった。それが、8月6日の据え直し工事で元に戻り傾きの危険は回避できた。これは中田石碑店さんの作業と、ご厚意に負うところ大である。
この不動明王は、幸いにも弥勒寺町公民館敷地内で、しかも市道横なので容易に見学しやすい環境である。今後、福重の石仏や史跡巡りなどの観光客増=福重の地域起こしの大きな要因にもなることも考えられる。
弥勒寺の不動明王が、大村市の指定史跡なれば、さらに役割が大きくなると思われるので、その実現が待たれるところである。
(以上)
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