大神宮の御願成就(おがん じょうじゅ)<今富町、冷泉寺>(概要報告)
開催日時:2019年11月24日12時00分〜14時30分 場所:大村市 今富町(冷泉寺)の大神宮 主催:大神宮の氏子 参加者:19人
注1:大神宮(だいじんぐう)=大村市今富町にある神社である。この大神宮の詳細は、ここから参照。
注2:諸願成就(しょがん じょうじゅ)=「神仏へかけたさまざまの願いが成就すること。願いがかなうこと」(精選版 日本国語大辞典の解説)
注3:冷泉寺(れいせんじ)は、字(あざ)「冷泉」にある今富町の一つの通称の地名及び班(集落)を指す。この地名の由来は、1574(天正2)年にキリシタンによる他宗教弾圧事件(僧侶・峯阿乗の殺害、寺社や仏像の焼打ち・略奪など)が起こるまで、この地に存在した仏教寺院の冷泉寺からである。
概要:<注2:を参照>大神宮の御願成就は、伝承内容の意味も含めて、主に次の(1)〜(6)通りです。。
(1)氏子が1年間通して大神宮(神様)に様々な願い事(例えば、農業ならば「五穀豊穣」、家庭ならば「家内安全」など)をした結果、その祈願が叶ったので、神様への感謝の祭礼(儀式)である。
(2)参加した氏子達は、拝殿と鳥居の間を榊(さかき)を持って持って一周し、それを百回続ける。
(3)氏子の長老は、その回数を間違えないように、まわって来た氏子からの榊の葉を、1回参ったごとに1枚づつ加えていく。
(4)百回達成したら、長老が持っていた百枚の榊の葉を拝殿奥の神様に奉納する。
(5)それらが終了すると、拝殿内で直会(なおらい)がある。
(6)上記の時期は、毎年11月下旬である。(土曜日もしくは日曜日など。時間は、ほぼ昼の12時から数時間である)
なお、野田町にある本蔵権現の例祭の一つとして、(大村歳時記シリーズの)「御神待ち」(おかみまち、大村弁:おかんまち)があります。このリンク先ページには、<通説・俗説によれば「諸国の神様が陰暦10月に出雲大社に集まられ会議をされた後、今度は逆に神様は諸国に帰って来られる。その戻られる日に各地の神社や権現で気持ち良く神様を迎える儀式が御神待ちである」>と書いています。
ところが、今富町の冷泉寺地域の伝承では、「大神宮の神様は出雲大社に行かれない」とのことです。そのため、先の「御神待ち」に似た祭礼が、御願成就ともいわれているようです。
相当後になりますが、この御願成就については、「大村歳時記シリーズ(目次)」に、上記内容以上に詳細に記述して、いずれ掲載する予定です。 最後になりましたが、今富町・大神宮の氏子の皆様、当日は大変お世話になり、ありがとうございました。来年、機会あれば今度は最初から、ずっと参加して撮影したいです。
関係ページ:「大神宮」 「福重地区のくんち(宮日、秋の例祭)」 「御神待ち」(おかみまち、大村弁:おかんまち)」 「草場町にある松尾神社(まつのおじんじゃ)」
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(写真5) 奉納された榊(さかき)の葉百枚 |
(写真6) (左側写真の拡大) 榊の葉百枚 |
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(写真7) 直会(なおらい) |
(写真8) ”一本締め”で直会は、お開き |
(掲載日:2019年12月2日)
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