<補足>
この線刻不動明王像(弥勒寺の不動明王)は、弥勒寺公民館の敷地内にあるが、なぜここに置かれているのか、全く不明である。江戸時代に編纂された(大村)郷村記にも、由来などの記述はない。この一帯は、けっこう勢力の大きかった弥勒寺と言う寺院があった場所である。その関係から「この弥勒寺と関係あったかもしれない」との説もあるが、この点は不明である。
なお、不動明王それ自体は「(平安時代初期に活躍した)空海(弘法大師)が中国から図柄を持ち帰ったのではないか」とか、「密教と関係あるのではないか」とか様々な説がある。山岳宗教、山岳密教と言えば、この弥勒寺は(郡岳の旧称である)「太郎岳大権現(この山には弥陀、釈迦、観音の三尊をまつっていた)」に登る修験者の登山口の一つになっていた可能性はあるが、これまた詳細は不明である。
この不動明王は市道脇にあり、そのため直ぐに見学できて大変便利な位置に置かれている。
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