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立福寺町のドラ
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福重郷土史講座、第8回講座の概要
日時:2004年2月23日 19時00〜21時15分 参加者:12名
郷土史講座第8回目講演、講師:増元さん(寿古町内会長)
1)総括
はじめに、今まで説明していなかったことについての補足説明をします。
立福寺町の銅鑼(ドラ)について
このドラの刻銘には『安政六年未七月吉日』『今留村』とあります。(注1:安政6年=1859年、注2:今留村は今富村のことで福重村との合併前の名称)これは、龍踊り用に特別発注した物です。地名は現在「今富」と書きますが、今でも「イマドメ」と発音する人がいます。
(上野注:この立福寺町の旧称=龍福寺郷の「龍」にちなんで始まったと言われている立福寺の龍踊りの詳細は、『福重の伝統芸能』ページをご覧下さい)
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今富町の石割樫
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福重町の丹投石
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今富町、大神宮の石割樫について
今富町にある大神宮境内には石の高さ約2mから根をはっている樫の木があります。木の高さ約5m、樹齢百年くらいです。
ご神木として祀ってありますが、自然の力と生命力の神秘さを感じます。
福重町、妙宣寺の丹投石について
福重町にあるこの石は、キリシタンが妙宣寺の裏山から投げ入れたとの伝説があります。石にも、「丹投石」(丹=キリシタンのこと)と彫ってあります。
しかし、年代が合わないことと、領主が建てたお寺を壊すようなことをしたと思えません。
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野田町の赤似田堤
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重井田町の天狗岩
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野田町、赤似田堤について
野田町にある赤似田堤(あかにたつつみ)は、福重地区最大の堤です。深沢儀太夫の二代目(弟)の勝清によって造られたと言われています。
重井田町、天狗岩について
重井田町には、天狗岩があります。この付近の字にも『天狗通』があり、また、佐奈川内川には、『天狗の足型石』があると言われています。
この『天狗の足型石』は、空を飛んでいた天狗が降りて足型を付けたとの伝説があります。
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御手水の滝=裏見の滝 |
重井田町、御手水の滝(おちょうずのたき)=裏見の滝について
草場町にある松尾神社は、酒の神様です。この神社の由緒書きには、「御手水の谷にある『水垂の滝(みたらしのたき)』、別名『御手水の滝(おちょうずのたき)』とも言うから水汲んで、酒を造った」と書かれてあります。
つまり、現在通称で「裏見の滝」=正式名称は、『御手水の滝』は、元々の名称は、『水垂の滝』でした。滝自体の水も流れ落ちるようなものではなく、雨垂れみたいなものだったと思われます。
(上野注:現在の名称で、御手水の滝=裏見の滝は、重井田町にあり、高さ約30メートルです。そのまわりには(立福寺町と重井田町にまたがっている)『裏見の滝シャクナゲ公園』もあります。花の盛りには、たくさんの観光客が来園されます)
今後の郷土史関係の取り組み
1)3月6日福重郷土史講演会
2)史跡マップの印刷、配布
3)『福重のあゆみ』修正版の発刊
今後の提案として
・地名(屋号)調査の検討
・郡地区(福重、竹松、松原とさらに萱瀬含めて)全体を考えた郷土史研究
・調査後の補足発表
・福重住民センターの自主的講座としての継続
まとめ
福重地区には長い歴史があり、それを知り、ただ勉強しただけではダメで、いかに現在に生かすかが、郷土史研究の目的と言えます。福重地区は、米などの農業が奈良時代から行われ(当時県下最大規模)の穀倉地帯及び政治の中心地でした。現在も、シュシュの施設を始め、フルーツの里ふくしげ、観光農園、カーネーション、きゅうりなどを栽培し盛んです。この福重地区の農業がないと大村の農業が成り立たないと言われるほどです。
500年以上の伝統ある沖田踊と寿古踊は、今も昔も約60所帯で(援助者含めて)百人規模です。これは昔から町内全体のまとまりがなければが到底できないことを物語っています。
福重の貴重な遺跡や文化財が、道路工事や基盤整備事業で破壊されてきました。今後は、保全・保存していくことも、必要な取り組みと思います。
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裏見の滝シャクナゲ公園
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第8回講座参加者の皆さん
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2)参加者からの感想
第8回講座参加者全員から、感想や意見が出されました。共通点や特徴的なことを下記にまとめました。なお、中島さんは、(下記の)短歌を詠まれました。
(下記の意見、感想は順不同です)
・先生に感謝したい。
・色々なことを知り、良かった。
・勉強しただけではダメで今後、どう生かしていくかが大事だ。
・今後も郷土史は勉強したいので、同好会やクラブ的なもので継続願いたい。
・研究後の発表の場も必要だ。
・インターネットとデジタル化を進めたい。
などが出されました。全員の賛同で福重郷土史講座は、同好会か何かの形で継続していくことを確認しました。
郷土郷土史講座に参加して詠みし短歌五首 中島 恵美 |
・郷土史の講座に耳すましめくるページ師の熱弁しんしんととほる
・田を拓き水路作りに先人の命けずって糧得しを知る
・郷村記の水路の多き地図に見る体をはりて作りし先人
・農民の水利権守るこだわりの一つ解りたり郷土史学びて
・牛馬の力を讃え農民は神としあがめ祀り続けたり
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(第8回講座報告は、以上)
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