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4月中旬、トラクターでの田起こし(2006年4月14日撮影) |
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田起こし前の蓮華草(2006年4月7日撮影) |
田起こし(たおこし)
まず、ご参考までに、田起こしの意味について、国語辞典の大辞泉の解説によれば、次の「 」内通りに書いてあります。 「田起こし:収穫後や稲を植える前の乾いた田の土を掘り起こし、細かく砕く作業。田打ち。」 この辞典の通りで、実は稲刈りが終わり、田んぼには稲の切株や草などがあり、さらにはそれまでは水を張っていた所ですから、収穫後は地面が乾き、硬くなってもいます。
田起こしは、その硬くなった田んぼの地面、切株、雑草、春に花咲く蓮華草などを耕し、土を細かく柔らかくする目的があります。また、この田起こし時には、田んぼに水を張ることはありません。なお、この田起こしは、田植え直前に水を張った状態での代明け(しろあけ)とは、その作業の目的も意味も、仕事のやり方も全然違いますので、念のために書いておきます。
大村市内で田起こしの時期は、各農家や各地の田んぼの状況違いによって、時期は大きく違っています。ただ、通常ならば、早ければ3月下旬から始められる農家もありますが、大体は4月あるいは5月初旬〜中旬におこなわれます。
田起こしは蓮華草の花咲く時季とも関係あり
この時季のズレは、大きな要素ではないのですが、蓮華草との関係もあります。つまり、蓮華草の花が、大体咲き終わった頃から、田起こしは始まるのが多いです。その頃は、上記にも書いていますが、かなりの幅があると言うことです。
そして、田植え(大村市内は6月が多い)のずっと前の頃、この作業はおこなわれます。前年の10月下旬か11月初め頃に稲刈りが済み、何か作物を作らない限り田んぼは、どこも大抵そのままにしてあります。
冬の間、雪、霜、雨その他で田んぼの土は、相当固まっていますし、稲の切り株もあります。田起こしは、これら固まった土を掘り返すことにより、まずは空気に触れさせ、柔らかくします。 また、同時に中にいた微生物や虫などに空気(酸素)を与え、「起きろ、春が来たぞ!」と教えてやり、活動をうながすことにもなります。
そのようなことで、土の中にいた微生物たちの動きにより、蓮華草、草、稲わらや切り株などが栄養に変わるよう分解してくれます。 つまり、田起こしは、昨年秋から長期に休んでいた田んぼの”活動再開”みたいなものです。
私の子どもの頃、この田起こしは、牛に引かせた鋤(すき)でおこなうか、その後は耕運機もありました。しかし、現在は、どこの農家もほとんどが、トラクターでの田起こし作業です。あと、私は何回か見たことあるのですが、トラクターで田起こしをしている最中、白鷺(しらざぎ)が付いてまわっている光景です。
サギは、いつもは人の話し声などにも敏感に逃げるのに、うるさいトラクター音にも負けずにずっと追いかけていってました。それは、なぜか。トラクターが掘り起こした土の中にいる虫たち(ご馳走)が、サギの目当てだからでしょう。なかなか、いつもは見られない光景でした。田起こしの頃は、あまり暑くもなく寒くもなく、いい時期だと思います。
補足
(この原稿は準備中。しばらく、お待ちください)
コメ関係ページ:田起こし(たおこし) 、 代明け(しろあけ)・代掻き(しろかき) 、 田植え(たうえ) 、 稲刈り(いねかり) 、 (稲の)掛け干し(いねのかけぼし) 、 脱穀(だっこく) 、 籾すり(もみすり) 、 精米(せいまい) 、 餅(もち)つき