大村市立史料館特別展「懐古・知新」
2012年秋、下記の通り大村市立史料館特別展「懐古・知新」が、開催されます。今回の大きな見所は、(大村純忠の義弟の)後藤貴明公の木像など、初公開を含む大村ゆかりの里帰り資料の展示です。
大村市立史料館特別展「懐古・知新」、開催概要
・開催期間:2012年10月2日(火)〜12月2日(日)
・大村純忠の義弟 後藤貴明公木像 11月4日まで限定公開
・会場:大村市立史料館(大村市立図書館2階)
・時間:10時〜18時
・休館日:月曜日 祝日 10月9日、18日、 11月15日
・入場:無料
・問い合わせ:大村市文化振興課:0957-53-4111(内線369)
特別展講演会と展示解説
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演題 |
「里帰り資料が語る中世の大村」 |
講師 |
久田松 和則 氏(富松神社宮司) |
日時 |
10月27日(土)14時〜 |
場所 |
大村市立図書館学習室 |
参加無料 |
講演後、展示室でギャラリートーク(展示資料解説)がおこなわれます。 |
この特別展を企画し、準備作業をされている大村市文化振興課の皆様のご奮闘に敬意を表します。
後藤貴明公の木像(右上側画像、中央部の木像を参照)
この像は、佐賀県武雄市の指定重要文化財です。武雄市の文化財ページの文化財一覧と個別紹介ページには「木造後藤貴明公像(もくぞうごとうたかあきらこうぞう)」と書いてあり、武雄町大字永島の貴明寺に所蔵されています。また、先のリンク先ページには、この像について次の<>内のことも書いてあります。
< (前略) 本像は、このような貴明の姿を伝える唯一の像で、像高65.8cm、寄木造りで玉眼、彩色が施されています。背筋を伸ばし、口を引き締めた謹厳な顔立ちで、懐を広くつくり、威儀を正した中に余裕のある姿をしています。頭部は赤楠、体部は楠でつくられ、内刳りされ、背中と体内に墨書銘がみられます。 銘文から本像の製作は、天正16年に仏師感定軒によって作られたことがわかり、彫刻史の上からも貴重です。 (後略) >
後藤貴明について
後藤貴明(ごとうたかあきら)は、大村の歴史とりわけ中世史を語る場合、避けては通れない戦国武将です。天文3(1534)年に大村純前の庶子(庶出の子。妾の産んだ子=大辞泉より)として生まれながら、大村氏の跡継ぎになる予定の人でした。しかし、戦国大名間の力関係や圧迫などから、大村純忠(有馬晴純の子)を大村氏の跡継ぎにしたため、結果、貴明は、天文14年(1545年)に武雄の後藤家に養子に出されました。
自分が養子に出された要因の大村純忠に反発し、後藤貴明は何回も大村領を攻めてきました。代表的な戦だけでも鳥越・伊理宇の合戦(とりごえ・いりゅうのかっせん)や三城七騎ごもり(三城城の籠城戦)などがありました。さらには、竜造寺との戦いなどもおこなった武将で天正11(1583)年に死去しました。
(第一次掲載日:2012年9月29日、第ニ次掲載日:2012年10月 日)