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大村市立史料館・企画展 そこんにきヒストリー(概要紹介)

大村市立史料館・企画展 そこんにきヒストリー
 2011年も2012年も、ほぼ同時期開催の大村市立史料館・企画展「そこんにきヒストリー」の概要紹介をいたします。開催の期間や会場などは、下記の通りです。名称について、今年(2012年)分の企画展案内チラシには、「そこんにきヒストリー2き」とも書いてあります。

そこんにきヒストリー企画展、開催概要
・昨年の開催期間:2011年7月23日(土)〜9月11日(日)
今年の開催期間:2012年7月21日(土)〜9月16日(日)

・会場:大村市立史料館(市立図書館2階)
・時間:10時〜18時
・休館日:毎週月曜日 毎月25日
・入場:無料
・問い合わせ:大村市文化振興課、大村市立史料館(53-1979)

 なお、企画展案内チラシには、次の<>内のことも書いてあります。< 体験講座「史料館で遊ぼう!」 勾玉づくり・巻物づくり 、 親子バスツアー(市内の史跡をバスでめぐります) >

企画展の表紙説明文次の<>内の通り。
 < ここんにきも、そこんにきも、あそこんにきも歴史がいっぱい。 「琴の湖」と呼ばれた穏やかな大村湾。多良岳を中心とした山々。その間に広がる大村平野。 そんな地形に囲まれて大村の歴史は昔から続いてきました。 今回は、8つの地区にわけて、"そこんにきの歴史"をのぞいてみましょう。  >

そこんにきなどの大村弁について、上野の補足(解釈は「」内)
・ここんにき=「(自分や自宅周辺の)この付近」  
・そこんにき=「(自分や自宅周辺から少し離れた
)その付近」
・あそこんにき=「(自分や自宅周辺から、かなり離れた)あの付近」
と言う意味があるかと思われます。

 何事においても大雑把な性格の私ですから、正確な距離概念などはないに等しいですが、まあまあ、大村弁の雰囲気解釈は当たっているかと思ってはいます。上記の言葉は、日常普段に、それこそ市内「どこんにきでも(全域で)」良く使われている方言です。そこんにきヒストリーの言葉を全体通して解釈すれば、「(大村市内)色々な所にある歴史や史跡紹介」と思われます。大村人にとっては、なかなか親しみの持てる企画展名称ではないでしょうか。

企画展パンフレットの概要紹介
 この企画展の紹介をしてある同名のパンフレット(全カラー版A4サイズの12ページ)があります。このパンフレット(このページ右上側画像は表紙)は、大村市立史料館・企画展会場で入手できます。下表が、パンフレット内に掲載されている大村市内8地区別の(名所旧跡、史跡、遺跡、郷土芸能、自然、産業、近代施設などの)項目数です。(囲み記事の”にきぺディ”などの補足項目も含む) なお、上野が調べた掲載内容や項目数ですので、あくまでも、ご参考程度に、ご覧願います。

8地区名称
掲載項目数

掲載されている名所旧跡などの項目名称(ただし下記内容は全部ではない)

  松原
八幡神社、旧松屋旅館、松原鎌、松原くんち、深澤儀太夫と野岳湖など
  福重
郡七山十坊と石仏、好武城と今富城、黒丸遺跡、寿古踊・沖田踊、今富キリシタン墓碑など
  竹松
黒丸踊、小路口鬼の穴古墳、昊天宮、富の原遺跡、鬼橋町水神淵の線刻河童、今津神社、文化財資料整理室など
  萱瀬
田下のキリシタン墓碑、菅無田古戦場跡、中岳古戦場跡、氷川神社、萱瀬杉、大村純忠終焉の居館跡、愛宕大権現など
  西大村

14

大村館とその城下、大上戸川、放虎原、北川次郎衛、千葉卜沈、イチイガシ天然林、天正遣欧少年使節像、第21海軍空廠、郡崩れ史跡、本経寺・大村藩主大村家墓所、富松神社、宝円寺跡、長崎街道辻堂標など
  大村
13
玖島城、大村藩お船蔵跡、玖島崎古墳群、大村純熈公像、浜田謹吾少年の像、玖島崎樹叢、大村城下五小路、旧円融寺庭園、旧楠本正隆屋敷、五教館御成門、大村駅、東大村の開拓など
  鈴田
古松権現、古松宿、鈴田峠、伝鈴田道意の墓、宮崎新田など
  三浦
伊賀峰城跡、勘作さん、溝陸問役所跡、浄土寺、大村良純逆修碑、宮崎神社など
-
合計67 ( 注1)
(注1):地区別数(合計数も)は紙面に限りがあるので上記の数字で、実際はもっと沢山ある史跡の一部である。
鹿島(松原本町2丁目)
弥勒寺の不動明王(CG加工)

そこんにきヒストリーの感想と大村の観光行政に思うこと
 私は、そこんにきヒストリーの企画展やパンフレットを数回見ましたので、ここから、その感想や関連した意見も含めて書いていきます。念のため、あくまでも個人的な感想
が主な内容であることを、あらかじめご了承願います。

  今回の企画展やパンフレットには、上表でもお分かりの通り、大村市内8地区にある沢山の史跡などが紹介されています。ただし、念のため、これら以外にも、さらに多くの史跡などがあることは申し添えておきます。このそこんにきヒストリーの意図は、市内に点在している史跡などを純然たる歴史で紹介し、
多くの方に見て頂こうとのことだろうと思っています。

 ただ、私は、このような企画展やパンフレットを見ますと改めて、別角度でこれまでの大村市の観光行政上における史跡や観光地紹介のあり方について、色々と考えることがあります。今まで大村市の観光紹介は、何年間も何十年間も、まるで判子で押したように(旧市街地や大村市役所中心主義みたいな)同じ場所の「大村公園、旧武家屋敷通り、旧楠本正隆屋敷、大村純忠・天正四少年など」ばかりです。

 これらは、色々と市民が長年問題点を指摘してきても、色々な言い訳(例えば「紙面スペースなど」)を観光関係はされるかもしれません。しかし、何十年間も同じような内容ばかりでは、宣伝しているつもりでも逆に先の「」内項目以外には、他に観光資源や史跡が大村にないようにも見えてきます。つまり、大村市内に、あまたある眠ったままの観光資源を観光客や市民に見せようとしない、まるで”目隠し観光行政”みたいな印象がしています。

 それに比べ、このそこんにきヒストリーの企画展やパンフレット内容は、市民の方からも「あー、うちんにきにも、こげん良か史跡があっとか。今まで知らんかったバイ」、「今度、こん史跡を知らん人が来たら教えてあげんばねえ」みたいな感想が寄せられる可能性もあるかと思われます。

 ただ、この種のことは、短期間で成果や結論が出るものではなく何年も、あるいは何十年間もやってみて、やっと新たな史跡ウォーキングや歴史観光ファンを増やす誘因になるものだろうと思われます。

  今の大村市の同じ史跡や観光地紹介しかしない”ワンパーターン”観光行政では、長崎県央地域で、しかも県下どこにもないような陸・海・空揃った有利な交通アクセス網、さらに市内に沢山ある眠ったままの観光資源がありながらも、そこに光を当てないやり方=”目隠し観光行政”では、これから何十年間経っても「素通りの街・大村」、「偉大な通過都市・大村」のままではないでしょうか。

 私は、これからの30年後、50年後の大村を展望して、今からでも遅くはないから、そこんにきヒストリー的な全市的、多面的に考える(歴史)観光と、行政全般についてもビッグプロジェクト含めて、それらをベースに物事や青写真を考えていかなければならないのではと改めて思っています。

  もっと明確に申し上げれば、大村市の(地区別)人口分布や交通アクセス網の中心地は、既に何年も前から旧市街地や大村市役所周辺ではなく、新市街地の竹松と西大村の境付近(一般には”空港通り周辺”とも言われている)に移っている経過があります。このような現実ばかりではなく、何十年か後の大村の姿から逆算して、今までの観光や行政全般のあり方について見直しが迫られていると言うことではないでしょうか。

 見方、感想、意見は、それこそ十人十色と思われますが、私は、このそこんにきヒストリーの企画展やパンフレットを見て、上記のような感想や意見を持ちました。私のような素人郷土史愛好家は、もちろんのこと、多くの子どもさん、学生さん、さらには8地区全ての地域の方々にも、そこんにきヒストリーの企画展やパンフレットを、ご覧頂きたいなあと願っています。

  そして、 8地区の皆様方、これをもとに各々で史跡巡り、ホームページ、チラシ、冊子などで、”地域自慢”含めて多くの史跡や観光資源紹介を大いにやっていきたいですね。最後になりましたが、企画し準備作業をされている大村市文化振興課の皆様のご奮闘に敬意を表します。

(第一次掲載日:2012年8月4日、第ニ次掲載日:2012年8月5日)

<大村市歴史資料館(市立史料館)・企画展関係ページ紹介>
 ・2020年開催   「南蛮文化」
 ・2017年開催  「資料でたどる大村家の歩み」
 ・2017年開催  「九州新幹線建設に伴う大村市の発掘調査成果展〜」(概要紹介)
 ・2016年開催  「Sumitada(戦国・南蛮・キリシタン)」(概要紹介)
 ・2016年開催  市内遺跡発掘調査速報展(概要紹介)
 ・2015年開催  「軍都」大村の歩みと市民(概要紹介)
 ・2015年開催  夏得 いま知っ解くべき おススメの歴史(概要紹介)
 ・2014年開催  古代探訪 「奈良・平安の大村と肥前」(概要紹介)
 ・2013年開催  解大藩書 「大村藩を解く」(概要紹介)
 ・2013年開催  The 藩 江戸時代270年の大村(概要紹介)
 ・2013年開催  「大村藩天文方 峰源助」展(概要紹介
 ・2012年開催  特別展「懐古・知新」(概要紹介)
 ・2011年と2012年開催  そこんにきヒストリー(概要紹介)
 ・2010年開催  大村人グレート(概要紹介)
 ・2009年開催  歴史の缶づめ(概要紹介)
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