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重井田町の天狗伝説
もくじ はじめに 伝説の背景 石や地名 飛び立ち石 地名の由来 足跡石 天狗岩と滝 まとめと名称 あとがき Q&A
重井田町の天狗伝説

郡岳の天狗 太郎坊は大石を飛んだ
天狗の足跡石

天狗の足跡石(別名「八枚敷き」(はちめじき)
石の頂上部(全て平ら、「足型」がいくつもある)
石の全景(川下から撮影)
天狗の足跡石

 この『天狗の足跡石』は、長崎県で4番目に長い郡川(こおりがわ)の支流にあたる佐奈川内川(さながわちがわ)にあります。重井田町を通る市道の約20メートル下側です。

 以前、この付近は田んぼ、井手(用水路)、さらにはやや離れてはいますが宅地もあったようで、その石垣などが今もあります。しかし、現在は、杉林と竹藪になっていて佐奈川内川の河原に下りるのに簡単ではありません。

 この石は単体岩で(目算ですが)頂上部の長さは南北約5m、東西約7mはあろうかと思える大きなものです。 色は、やや褐色で高さは4m位あります。

 重井田町の年配の方は、「この佐奈川内川や八枚敷きの岩では良く遊んだ」とのことでした。

 頭部がほぼ真っ平らで広さがタタミ八畳分くらいあり、それで重井田町の方は、別名「八枚敷き」(はちめじき:大村弁)と呼ばれています。

 この頂上部に登って歩いてみると、なるほど「タタミ八畳分くらいはあるなあ」と、改めて実感します。また、まわりを見渡すと、この石ほどの大きさはありませんが、まわりにはゴロゴロと大きな石があります。

 この岩の上には、伝承で「天狗の足跡がある」とのことで、ずっと『天狗の足跡石』と呼ばれてきました。この伝承だけではなく、「以前、実際見た」と言う方もけっこうおられました。

 なぜ、この石に足跡があるのか。それは、あまり天狗らしくないのですが、(前のページ掲載の)「天狗の飛び立ち石」から飛び、怪我したせいもあろうし、また、長距離ジャンプになったためか、この佐奈川内川にある大きい岩で休んだと言うのです。

 そのため、足跡みたいな格好がこの石に付いたと言うものです。この平らな石の上は、胡坐(あぐら)かいてもいいし、寝ても十二分の広さがあり、天狗が休みたかった理由がなんとなく分る思いがしました。

足跡らしき
大きい方の足跡、左側が左足、斜め右側が右足
小さい方の足跡、上側が左足、下側が右足
  この頂上部には長年落ち葉や木の枝、さらにはそれを養分に植物も生えており、かなり堆積物がたまっていて、ゴザみたいになっています。

 このゴザみたいな堆積物をはぐと、様々な形が現れてきました。なにせ広さが「タタミ八畳」位あるので、いたる所に足型に近いものが、たくさんありました。

 その中で、伝承の由来になった天狗の足跡はどれか、相当時間をかけて探しました。その中で2組、それらしき足型が視認できました。

 まず(このページ掲載の「足跡らしき」写真)大きい方の足跡の左足側は長さ約57cm、幅約33cm、右足側にあるやや斜めの足型の長さは64cm、幅33cmでした。

 小さい方の足型の左足側(左の写真、赤色ボールペンの上側)の長さは、長さ約52cm、幅約15cm、右足側(左の写真、赤色ボールペンの下側)にある足型の長さは47cm、幅11cmでした。

 2組の足型の中で、小さい足型の左足(写真の赤色ボールペン上側)が、一番くっきりと見えました。(ご参考までに、上下写真中の赤色ボールペンの長さはいずれも約13cmです)

 あと、これらとは別に2006年1月9日に再計測したところ、最長88cmの足跡もありました。当然ほかにも、たくさん足型らしきものはありましたが、鮮明度にやや難がありました。

 子供の頃、ここで遊ばれた方々も「八枚敷きの石の上に足跡みたいなものがあった」と言いつつも、その場所を特定されるような言い方をされないので、驚くほど足型に似た、そっくり度、クッキリ度抜群ではなかったのかもしれません。

 足型を探している時、天狗も、この広い石の上に休んで足跡を付けたと言うことですから、たぶんに行ったり来たりしたので、足型も沢山付いたのではないかと想像することにしました。

 ここは、夏ならば佐奈川内川のせせらぎと野鳥の鳴き声を聞きながら、緑の木陰を日笠にして「タタミ八畳」分の石に寝そべれば、なかなか贅沢な午睡になるだろうなあとも思いました。(掲載日:2005年4月1日)

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