このページでは、大村の偽装の歴史を調べられ、取り上げておられる書籍を参考文献一覧表として作成しました。また、できるだけ年代別に並べました。
黒板先生については、今回のテーマに関連する本や資料がないようなので、表の冒頭部分に付け加えました。また、下表の書籍名で
太文字にしているのは、特に今回のことを詳細かつ具体的に書いてある本です。
また、書籍の発行年をご覧下さい。この問題は著名な学者さんや先生方が古くから指摘されきているのですが、特に1977年から1986年にかけての約10年間に、多く出されているのが分かります。この時期は、後で作成予定のページにも書く予定ですが、色々な意味があります。
各所に<
注>を記して、下記にその説明をしていますが、この内容は私が本などを見た個人的感想ですので、ご参考程度にご覧頂けないでしょうか。
なお、下表の本は、あくまでも私が調べた範囲内ですので、大村の偽装の歴史を取り上げておられるのが、他にあるかもしれません。何か情報をお持ちの方は、eメールなどで教えて頂けないでしょうか、お願いします。
参考文献、書籍一覧表(大村の偽装の歴史を調べた書籍一覧表)
1907(明治40)年頃 |
黒板勝美 氏 注1 |
大村氏の偽装の系図を指摘し、より正しい系図を大村家に持参 |
書籍発行年 |
著者名・編者名 |
本・書籍名 |
主な内容(・見出しなど) |
注 |
1963年11月 |
太田亮 氏 |
姓氏家系大辞典 第1巻 |
全国の姓名や家系を詳細に調べ約6700ページ
にも及ぶ名著。「大村氏の系図」は、
偽装と断定。 |
注2 |
1963年11月 |
太田亮 氏 |
姓氏家系大辞典 第2巻 |
1963年11月 |
太田亮 氏 |
姓氏家系大辞典 第3巻 |
1968年11月 |
大村史談会
(入江 氏) 注3
|
大村史談 第 4号 |
・大村純伊に関する伝承考 |
注4 |
1977年09月 |
大村史談会
(河野忠博 氏) |
大村史談 第13号 |
・鍋島文書による大村氏新家系図 |
注5 |
1981年04月 |
大村史談会
(外山幹夫 氏) |
大村史談 第20号 |
・大村純伊文明六年敗戦記事の虚構性−
特に「平家物語」との関係について |
注6 |
1981年05月 |
外山幹夫 氏 |
大村純忠 |
付録で詳細に系図や「純伊」説を否定 |
注7 |
1982年09月 |
大村史談会青年部 |
おおむら史記 |
入門書ながら大村氏の入部などに疑問の記述 |
注8 |
1983年03月 |
大村市教育委員会 |
大村の沖田踊 |
踊の起源、「大村純伊」との関係に疑問の記述 |
注9 |
1984年03月 |
大村市教育委員会 |
大村の寿古踊 |
踊の起源、「大村純伊」との関係に疑問の記述 |
注10 |
1984年10月 |
大村史談会
(外山幹夫 氏)
|
大村史談 第27号 |
・大村氏に関する1,2の問題 |
注11 |
1986年03月 |
大村市教育委員会 |
黒丸踊 |
踊の起源、「大村純伊」との関係に疑問の記述 |
注12 |
1986年04月 |
外山幹夫 氏 |
中世九州社会史の研究 |
大村氏の出自と発展などを詳細に記述 |
注13 |
上記事項とは別の参考書籍(参考文献)
書籍発行年 |
著者名・編者名 |
本・書籍名 |
1990(平成 2)年03月 |
大村市教育委員会 |
大村市の文化財(初版) |
2004(平成16)年03月 |
大村市教育委員会 |
大村市の文化財(改訂版) |
注1:黒板勝美氏(波佐見生まれの方)は、大村の偉人展や本などに写真付きで紹介されている方です。東京大学教授時代含めて日本の歴史学の権威者でした。(この項の参照は、大村史談第13号からです。下記の
注2も同様)
注2:太田亮氏は、上記の黒坂勝美氏の愛弟子にあたる方で、日本第一の系図学者と呼ばれた人です。別のページに詳細に書く予定ですが、この
姓氏家系大辞典に大村氏系図について「
其の偽作なるや明白ならん」とまで断定して書いておられます。なお、上記一覧表に書いていますこの本の出版年ですが、大村市立図書館蔵書の調べ(角川書店、1963年11月)です。また、長崎県立図書館のインターネット蔵書検索では戦前の「出版者名:磯部甲陽堂 1942年」と言う本もあります。
注3:名の方がホームページ上で表示できない可能性もありますので、フルネームはご了承願います。
注4:大村史談の本で最も早く、問題指摘された記述と思われます。
注5:当然偽装の系図でもない、また太田亮氏の姓氏家系大辞典に書かれた系図でもない、河野先生が佐賀の図書館で発見された系図をもとに、具体的な根拠・資料も付けて、書かれています。
注6:大村純治(「大村純伊」と同一人物と言われている)は、佐賀(藤津郡)側で何回も敗戦、徘徊して、その後彼杵・大村側に来て、大村を支配しました。このことの詳細と色々な記録を対比表で分かりやすく解説され、「大村純伊」に関する経過や事項の虚構性を明確に書いておられます。
注7:本の本文自体は大村純忠中心ですが、付録「
大村氏の出自と発展」と言う見出しで、資料含めて約30ページにわたり従来の偽装の歴史を論破しておられます。
注8:「再び大村氏の出自について」の見出しで、詳細にまとめておられます。あと、なぜ大村で偽装の歴史が改まらないかについての論点も明確に書いておられます。
注9、注10、注12:いずれの踊りとも法養が伝えその後、郷土の方が守り伝えたと言う点では一致していますが、「大村純伊」の戦勝祝いの踊りとする起源には疑問の記述がされています。
注13:この本は、今回のテーマばかりではないのですが、今までの集大成と言うべきもので、各分野で幅広く参考にされている本です。
以上、今まで私が(ホームページ含む)原稿作成時に参考にさせて頂いた本や書籍ばかりです。これから、個別のテーマについて、それぞれ、各本からの引用箇所や参考文など、もう少し詳しく書いていきます。
これら書籍名や見出しなど見まして、改めて「大村の偽装の歴史を正そう。一般の方へ真実を知らせよう」とする先生方の熱意をありありと、私は感じました。それに比べ、従来の偽装の歴史を踏襲されている本や文書は、上記の先生方の文章に対し反論らしき書き方は、ほとんどなく、但し書きみたいに「大村家に伝わってきた文書による」と書いてあるだけでした。
その「伝わってきた文書」自体が、「偽装である」と先生方が努力され、長年かけて訴えておられるのにです。
(掲載日:2006年4月17日)